2015年大会シンプルにデータ予想
今まで好き放題にマニアックな事を書いてきた火川でしたが、今年は一般の方むけの簡単な予想記事も書きました。
2015年箱根駅伝の上位チームの簡単な予想と、シード争いに関わりそうなチームを紹介するだけの内容です。
(箱根駅伝の 基礎知識編 も書きましたので、興味があればこちらもどうぞ)
箱根の前哨戦の全日本大学駅伝の結果と、1万mの平均タイムを使ってシンプルに予想します。
小難しい話は こっち にまとめましたが、
早い話が、
@前哨戦の全日本大学駅伝で3番以内
A1万mの上位10人の平均タイムの順位で3番以内
B全日本8番以内&1万m8番以内の両方
@ABのどれか一つがクリア出来れば、箱根で90%以上の確率でシード権が取れる訳です。
この9割以上の確率でシード権を取れるチームは、今大会では駒澤大学、東洋大学、明治大学、青山学院大学、早稲田大学、山梨学院大学、
東海大学の7チームです。
この7チームの力関係を、全日本の結果と、各チームの1万mの上位10人平均タイムから予想します。
11月に行われる全日本は、箱根に次ぐ規模の学生駅伝大会です。
全日本の総距離は、箱根と比べて約半分なので、全日本のタイム差を2倍にしてみると以下の通りになります。
1位 駒澤大学
2位 明治大学 5分34秒差
3位 青山学院大学 5分36秒差
4位 東洋大学 7分06秒差
5位 山梨学院大学 12分52秒差
6位 東海大学 13分42秒差
7位 早稲田大学 15分54秒差
駒澤大学の圧勝っぷりと、山梨学院大学、東海大学、早稲田大学の3チームがかなり差をつけられているのがわかります。
次に1万mのタイムから予想します。
1万mのタイムは選手の走力を表しています。
陸上雑誌に載っている、チーム内上位10人の平均タイムの順位から予想してみます。(チームエントリー以前の物ですが)
箱根の1区間の平均距離は約21.7kmなので、大雑把に考えると1万mの2倍ちょっとの距離の区間が10区間あるわけで、1万mの平均タイムの差を20倍にしてみました。
1位 駒澤大学
2位 青山学院大学 30秒差
3位 明治大学 1分22秒差
4位 山梨学院大学 2分31秒差
5位 早稲田大学 4分23秒差
6位 東洋大学 4分29秒差
7位 東海大学 5分21秒差
全日本からの予想と比べてずいぶん各チームの差が縮まりました。
特に山梨学院大学、東海大学、早稲田大学はかなり首位の駒澤大学との差が縮まっています。
全日本の山梨学院大学と東海大学は、箱根の予選を走った後だったので、その疲れもあったでしょう。
早稲田大学も全日本では有力選手が力を発揮出来ていなかったので、こちらが本来の実力でしょう。
ただしどんな理由があっても、駅伝で結果を出せているかもまた大事なデータなので、全日本からの予想も重要だと考えています。
そこで、全日本からの予想と、1万mからの予想の、二つの予想の平均順位を出してみました。
おまけに二つの予想の平均タイム差もつけておきます。
1位 駒澤大学 平均順位1.0位
2位 青山学院大学 平均順位2.5位 平均タイム差3分3秒差
2位 明治大学 平均順位2.5位 平均タイム差3分28秒差
4位 山梨学院大学 平均順位4.5位 平均タイム差7分41秒差
5位 東洋大学 平均順位5.0位 平均タイム差5分47秒差
6位 早稲田大学 平均順位6.0位 平均タイム差10分08秒差
7位 東海大学 平均順位6.5位 平均タイム差9分31秒差
やはりどう考えても駒澤大学が圧倒的に強そうです。
2005年〜2014年の過去10大会、箱根の優勝チームの、そのシーズンの全日本の順位と1万m平均の順位はどうだったのかというと、平均で、全日本の順位が3.2位、1万m平均の順位が3.7位でした。
さらにその二つの平均を出すと3.45位になります。
上記の予想に当てはめてみると、3.45の数値をクリアしているのは、駒澤大学の他には、青山学院大学と明治大学ということになり、この2チームにも優勝のチャンスありと言えそうです。
しかし、やはり駒澤大学とはデータ上はかなりの差があります。
上位候補が7チームあっても7強というよりは、1強、凖2強、凖凖4強という形に別れています。
データ上は凖凖4強に属する東洋大学ではありますが、本戦では120%の力を発揮する事があります。
東洋大学は2012年大会で、データ的にはほぼ互角の駒澤大学に9分差をつける超圧勝劇を見せた事がありました。
2014年大会でも、やはりデータ的には互角だった駒澤大学に4分半の差をつける完勝でした。
今大会、データ上は圧倒的な戦力を誇る駒澤大学を倒せるチームがあるとしたら、駒澤大学に凖ずる戦力を持つ明治大学や青山学院大学よりも、本戦で異常な強さを発揮する事がある東洋大学かも知れません。
上位チームの個人選手については、上位チームには有力選手が数多くいますが、中でも特に力がある選手は、平地区間では駒澤大学の村山謙太選手と山梨学院大学のオムワンバ選手です。
しかし2人とも箱根で区間賞を取った事はなく、力は最強クラスでも、安定感の面でやや問題があります。
2人の登場区間は2区の可能性が高いですが、難度の高い2区を避けて1区や3区にまわる可能性もあるでしょう。
最も大差のつきやすい5区山上りでは、早大の山本選手が走力的に最も秀でています。
シード権争いについては、枠が10なので、上位7チームが堅いとすれば、他のチームは残り3つのイスを争う事になります。
最近は中位下位チームの戦力が上がっており、上武大学と初出場の創価大学、それにデータ的には拓殖大学もやや厳しそうですが、他の全チームがシード争いに絡んで来そうです。
全日本8位で上位を苦しめるレース運びを見せた大東文化大学、箱根予選会トップ通過で全日本10位の神奈川大学は特に有力な候補です。
全日本9位の順天堂大学は、昨年の箱根は下位に沈んだものの、伝統的に全日本より箱根の方が順位を上げてくる事が多いチームです。
全日本ですでに一桁順位というのは、他チームにとってはかなり不気味でしょう。
1万mの平均タイム順位でも、正式参加チームの中では9位です。
箱根予選会ではあまり良くなかった順天堂大学ですが、本戦では有力なシード候補だと思います。
順当に行けば、大東文化大学、神奈川大学、順天堂大学の3チームが残り3つのシード枠を確保できそうです。
他には、有力候補というわけではありませんが、城西大学と日本大学が、それぞれ村山紘太選手、キトニー選手という大駒を持っているので、そのエースの力でシード権争いや、上位争いまでかき回しそうです。
ただし、上位チームの村山謙太選手やオムワンバ選手と同様に、村山紘太選手とキトニー選手もまた、力は最強クラスでも箱根で爆走した事はなく、安定しているとは言い難い選手です。