この日も10人に声をかける予定だった。
いつも通り代々木公園近くに駐車し、歩いて繁華街に向かう。
宇田川町のハンズのあたりからナンパを始める。立て続けに2人無視が続く。その直後周囲を見まわすと、3人目のターゲットが見つかった。
歩くのが異常に遅い女性だった。携帯を見ながら、うつむき加減で、時速1キロ(常人の1/5)くらいの速度で歩いている人だった。
派手な金髪で、肩がはだけ気味の、黒いワンピースを着ていて、いかにもなギャル系女性だった。
声をかけると女性は笑い出す。「お兄さん何者ー?」と。疑ってるというよりは、状況を楽しんでいる感じであれこれ質問される。
私の服装のついて、「怪しい格好」といきなりのダメだしも食らった。
すぐにナンパですと伝えたが、特になんの反応もなし。どうみてもナンパ慣れしてそうだし。
女性の名前はAちゃんと言った。年は26歳。昼は事務の仕事をして、夜はキャバクラで働いているそう。意外と働き者である。
なんでもこのAちゃんは、すでに4軒の店で飲んできて、これから5軒目に行きたいけど、誘っている友達から連絡がこないとの事。
Aちゃん「友達から連絡こなくてさー」
火川「そっか。でも新しい友達見つけたじゃん。俺!」と。ベタなネタで誘いだした。
Aちゃんは、「まだ会ったばっかりだしー」と言っていたが、「もう3分も話したし俺達マブダチだよ」と手を掴んで引っ張ってみたらあっさり着いてきた。近くの居酒屋に飲みに行く事になった。
火川の口説きが上手いのではなく、このタイプの女性は飲み代さえ払ってくれればどんな男の誘いにも乗ると思う。
だが、油断はできないと思っていた。なにせ現役キャバ嬢である。ナンパ男なんてサイフ代わりくらいにしか思っていない可能性もあった。
居酒屋に入る。
対面の席に座り、お互いにビールを飲みながら適当にAちゃんの仕事の話などを聞いていたが、Aちゃんは携帯3個を使い分け、あっちの携帯でメール、こっちの携帯で着信して通話と、火川をそっちのけで携帯に夢中だった。
仕事用とかで分けているのではなく、3個ともプライベート用らしい。
ちょっと話して、Aちゃんが携帯をいじる、適当に酒を飲むといった流れで時間は過ぎていく。火川が1杯飲む間に、Aちゃんは2杯飲んでいた。すでに4軒で飲んでいてこのペースだった。
Aちゃんの仕事の話でも、すでにかなり酔っぱらっているAちゃんとは、まともな会話をする必要もなく、適当にノリをあわせているだけだった。
「タケロウの奴は真面目でさー」
突然出てきたタケロウなる人物の話になっても、「タケロウ!」と適当に叫んで話をあわせただけ。
こんな感じでの会話が続いた。
ちなみに、タケロウは結婚したらしい。それを口実に「タケロウおめでとう!」と乾杯して酒を飲ませた。
まあ、こんな事をしなくても、Aちゃんは勝手にグビグビ飲んでいたけど。
Aちゃんが料理を食べた時に、「もう5日間なにも食べてないんだ」と言っていた。5日間ほとんど寝てないとも。この時は冗談だと思った。
Aちゃんが10代だった頃の写メを見せてくれると言うので、「見たい!見せて見せて」と、となりの席に移り、写メを見せてもらった。26歳の今でも十分なルックスだけど、10代の頃はさらにやばいくらい可愛かった。
この後、話は少し危険な方向へと飛んでいく。
Aちゃんは、「ねぇユウキくん、すごく聞きたいんだけど、絶対に本当の事を言ってね!」と前置きして、とんでもない事を言い出した。
「今は何をキメてるの?」
何でも、火川の目は瞳孔が開いているらしくて、「その目は絶対にキメている目!絶対に職質される目だよ」と失礼極まりない事言ってきた。
Aちゃんが言うには、最初に声をかけてきた時に、「仲間」だと思った、今となりで見て確信をした、との事。確信されても困ります。
「人間って興味があるモノを見ると瞳孔開くじゃん。Aちゃん可愛いから興味ありまくるから!」と言って見たが、「それは短時間だよ。ずっと開きっぱなしってのはキメてる証拠だよ」とAちゃんゆずらず。自分の瞳孔が今どうなのかなんて自分じゃ分からず、Aちゃんが可愛いからだよと押し通した。
神に誓って火川は薬物関係に手を出した事はなく、合法時代のマッシュルームやらハーブやらにも手を出した事はなく、タバコも吸わない上に、普段は酒すら飲みません。
薬物の種類も良くわからず、シャブが麻薬の総称かと思っていたウラ世間知らずな火川勇気なのに、すっかりAちゃんからはジャンキー扱いをされてしまい、「ア○スクリームでしょう?」とか、「熱いのはやったことある?」なんて事を言われる。隠語で言われてもわかりません。
さらには話は、×法ハーブへと続き、ア○スクリームの切れ目には×法のアレが良いとか、聞きたくもない知識を教わってしまった。引き込まないで下さいホントに。
話題をそらしても、またしばらくするとAちゃんからの追求が始まった。今度は、「ちゃんと答えてくれないともう帰るから!」と脅しをかけられてしまう。
仕方ないので話を合わせると、「やっぱりね。仲間だと思ってたよ」とAちゃんご満悦。
すでにこの時点で隣の席に座って、肩を抱いたり、手を握ったり、背中をさすったり、腰に手を回したり、あれこれタッチは進んでいたので、キスをしようとすると、Aちゃんからチュッと唇にキスをされてしまう。もう口説く必要なんて全然ない状態になっていた。
「私たちって仲間なんだから、いっぱい楽しめるね。今は持ってないの?キメセクしようよ」と、Aちゃんから誘われる。
キメる気はさらさらないが、セックスはしたい。だがかなり危険な女なのは確実。ゲットすべきか、避けるべきか・・・一瞬悩んだが、答えはすぐに出た。
ゲットすべし。
男なんて弱い物。それはみだらな誘惑には勝てないというのももちろんだが、もう一つの理由の方が大きかったかもしれない。
いつ成功するかわからない、いつまで続くかわからない、関東でのナンパ。自分にイイ女なんてゲットできるのか、自信なんてまったくなかった。
それが、今目の前にゴールがある。
出口の見えないトンネルの中にいる感覚だった自分の目の前に、今光が見えてる。
探せばもっとルックスの良い女性もいるだろうし、安易な判断だったとも思う。でもこの時の私には、そこに飛び込むしか選択肢はなかった。
居酒屋を出ることに。レジに向かうと、Aちゃんは別の席のグループに飛び込んでイエーイと盛り上げていた。すごいテンション上がっている。
居酒屋を出て、エレベーターの中でキス。何の問題もなくディープキス出来た。
渋谷の街を歩き、ホテル街に向かう。
Aちゃんはフラフラしていて、「どっちが右か左かわからなくなっちゃった!」と言っていた。
Aちゃんの左の胸をわしづかみして、「これはどっちのおっぱい?」と尋ねてみた。「お茶碗側ー!」と返事が返ってきた。
当然反対側も触り、「これはどっち?」、「おはし側ー!」というやり取りがあった。
調子に乗って、服の上からではあるが下半身も触り、「これはどっちのアソコ?」とやってみた。Aちゃんの反応は、ダメ!と笑顔で怒られる。
ホテル街が近づいてきた。
Aちゃんは、○○(聞き取れず、多分やばい物)が欲しいと言い出して、近くの雑貨屋に入ってしまった。私も一緒に入ったが、目的の物はなかった。っていうか、普通の雑貨屋にそんなブツが売ってるのだろうか。私にはわからないが。
ラブホテルに入る。ホテルのフロントのおばさんに、「お母さんありがとう!」と叫ぶAちゃん。テンション高すぎ。
部屋に入る。土足のままドカドカ室内に入っていくAちゃん。とりあえず火川も同じように土足で入る。
部屋に入ってすぐにゲット、とはいかず、一悶着あった。
テンションが高まってるAちゃん、火川もすでに脱いでテンション全開!
なのに、Aちゃんはキスと胸を触るくらいしかさせてくれない。下を脱いでくれないし、触らせてもくれない。
その理由を尋ねると、「おもちゃも欲しいの」と。
ソファーの前にあるテーブルには、バイブやらローターやらの写真が載っているカタログがあった。Aちゃんはそれが欲しいらしい。
特にその中の1つである、カタログナンバー4の「クリちゃんショック」がお気に入りだった。金額は1つ2000円だった。
2000円を惜しんで、なんとかとっととゲットしてしまいたい火川。欲しい欲しいと言い続けるAちゃん。
Aちゃんは下半身を触らせてくれず、パンツも脱いでくれない。そんな状態で火川の上に跨って、「買ってくれないなら帰るよ。買ってくれたら私の体をおもちゃにして良いよ」と言い出す。こんな事を言われては、折れるしかなかった。(この状況で折れない男っています?)
電話でフロントに注文する
火川「あのー4番を」
フロント「は?」
火川「カタログの4番を」
フロント「はい?」
火川「クリちゃんショックを・・・」
フロント「・・・・・・はい」
注文からたった数分ですぐにチャイムがなる。
まだこの時点で裸だった火川。Aちゃんから早く服着て!とせかされて急いで服をきて、ドアに向かう。
ドアを少しだけ開けて隙間から2000円を出し、クリちゃんショックを受け取った。
クリちゃんショック!
Aちゃんにクリちゃんショックを渡すと、ようやくパンツを脱いでくれた。Aちゃんは自分でクリちゃんショックを使い1人でよがりまくる。
ようやく、すべて身体を自由にして良いと許可が出た。
すぐにAちゃんをゲット、とはいかず!問題発生。
元々タチがよくない火川。可愛い女性が相手だとやっぱり緊張気味で、さらにダメになってしまった。さらにAちゃんは濡れにくい体質だったので、えらく苦労して、途中で中断をはさみ、休憩後にやっと1回達成した。
「セックスって疲れる」、それを1番実感したセックスだった。
眠ってるAちゃんの横顔
(画像をぼかしました)
「10分経ったら起こして」と眠るAちゃん。起こしたらまた「10分経ったら起こして」と。
何度も繰り返して、結局Aちゃんは1時間以上寝てた。
時間はいつのまにか朝5時を迎えていた。
始発も出てるので、そろそろ帰ろうという事になった。
Aちゃんは今日は昼の事務の仕事が休みで、夜からキャバの仕事だけらしいが、家のパソコンで事務の仕事の残りをやるとか。本当に意外な働き者だった。
見た目はギャル、性格もかなりラリッてるのに、仕事には真面目。人間には色んなタイプがいるなぁと、ある意味感心させられた。なおこのAちゃんは音楽を色々と聴く趣味があるらしく、クラシック音楽まで聴くらしい。とてもクラシック音楽を聴くタイプの人間には見えないんだけど。
Aちゃんが服を着るとき、前かがみ気味になった。垂れ下がる金髪の向こうに、おっぱいが見える。
「俺って本当に渋谷でギャル系をゲットしたんだな」、そう感じた瞬間だった。
渋谷駅の近くまで一緒に歩き、そこで別れた。
朝方の109