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4 エース区間について

チームで一番走力の高いエース選手が走る区間は、主に1区、2区、3区、5区、9区になります。

それぞれの理由を説明します。

 

2区

2区は花の2区と呼ばれ、最も多くのエース選手が登場する華々しい区間です。

2区がエース区間になる理由は、ライバルに対して先行すると、後に続く選手たちに、

 

1 リラックス出来る事

2 ペースのムラとムリがなくなる事

 

というメリットがあるからです。

リラックス出来なければ、筋肉が硬くなったり、心拍数が増加するなど、タイムが落ちる要因が発生してしまいますし、上げ下げの多いムラのあるペースや、前半のムリなオーバーペースは後半の失速になり、タイムロスにつながります。

先行すれば、特にぶっちぎりのトップになれば、リラックス出来てマイペースで走れるので、一石二鳥です。

さらに後方のライバルに焦りを与えてペースを乱せれば一石三鳥になります。

早い段階でライバルよりも前に出てレースを進めたいところですが、最初の1区は、全員が同時にスタートするため、集団になりやすく差がつきにくいため、基本的にはエースを投入するのはもったいない区間です。

そこで、距離が長くてコースも厳しく、多少バラけた状態でスタート出来る2区にエースを投入するわけです。

その結果、2区は各チームを代表する実力者が集まる、箱根駅伝の花形区間となっています。

 

5区

山上りの5区は、最も大差のつきやすい区間です。

エース選手に上り坂を速く走る才能があれば、花の2区よりもエースを生かせる区間と言えます。

ただし、平地で強い選手でも上りに強いとは限らず、平地でチームのエースになれる走力と、上り坂を速く走る才能の両方を合わせもつ選手はまれなので、5区にエースを投入出来るケースは限られていると言えます。

また、エース抜きで4区までを持ちこたえなければならないので、5区にエースを投入するチームには、層の厚さも求められます。

 

1区

1区にエースを投入するケースもあります。その場合は、自チームのエースの実力と、ライバルチームの1区候補の選手とを比べて、差のつきにくい1区でぶっちぎる事が可能な場合に有効です。

1区のコースは平坦で走りやすく、それは同時に仕掛けどころが少ない事も意味しています。

中途半端な実力差では、集団から抜け出そうとしても、良いペースメーカー扱いされてしまい、抜け出し切れず、集団に埋もれてしまうだけになります。

1区にエースを投入するのは大当たりか無駄使いのどちらかになりやすく、奇策と言えますが、ぶっちぎれる確率が高そうならば、2区以上にエースを生かせる区間とも言えます。

 

3区

エース選手が故障明けや不調の場合は、コース難度の高い2区を避けて、代わりに走りやすい3区に投入される事があります。

また、走力的にはチームのエースであっても、距離が長く上り坂のある2区のコースを苦手としているタイプの選手もいます。

そういう場合も、2区は耐える区間と割り切って、3区にエースを投入して勝負をかける事があります。

 

9区

9区は復路で最も距離が長く、後半の要になる区間です。

この区間までエースを温存出来れば、混戦になった時には切り札として活躍してくれます。

ただし、優勝を狙っているならトップ争いに、シード権を狙っているなら10位争いに、8区終了時点までエース抜きで持ちこたえる事が出来るだけの、層の厚いチームに限り有効な作戦です。

9区のエースが走り出す頃に、優勝争いやシード争いの蚊帳の外になってしまうと、ただのエースの無駄使いになってしまいます。

9区までエースを残すのは、極めて難しい作戦と言えます。

 

 

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