3  1万mのベストタイムについて

陸上競技には、400mの競技場を25周グルグル回る、1万mという種目があります。

この1万mで良いタイムを出す為には、瞬発力と持久力の両方をバランス良く求められるので、この種目のタイムは選手のランナーとしての能力、つまり走力を表していると言えます。

 

選手の走力を理解して駅伝を見ると、ただテレビを眺めているだけではわからない真実が見えてきます。

例えば、2区でAとBの二人の選手が同時にスタートしたとします。

A選手が先行し、B選手をどんどん引き離し、次の中継所に到着した時には50秒もの差がついたとします。

A選手は区間順位でも1位を取り、まさにその区間の主役と言える大活躍。

駅伝の知識のない人がこのレースを見れば、「このAって選手すげーな」で終わってしまいます。

 

しかし、両選手の1万mのベストタイムが、A選手が28分30秒、B選手が29分30秒と知っているなら感想も変わってくるはずです。

1万m(10km)で1分タイムが違えば、23.1kmの距離のある2区に当てはめると2分18秒以上の差になります。

それをたったの50秒差で抑えたのだから、敗れたB選手は大健闘をしていたという事実がわかります。

 

選手の1万mのベストタイムは、箱根駅伝関係のサイトで簡単に調べる事が出来るので、応援しているチームや、そのライバルチームの選手の走力をメモっておくと、自分なりにレースを予想出来たりもするので、面白くなると思います。

 

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