2014年箱根駅伝の予想
(2013年12月25日時点での予想です)
これまでと同じく、駅伝SLGを使っています。
駅伝SLGは選手の1万メートルのベストタイムを元に各区間のタイムを予想するソフトですが、火川勇気独自の考え方に基づき、
(1)20キロやハーフマラソンのベストタイム
(2)前シーズンの箱根駅伝の区間タイム
(3)今シーズンの全日本大学駅伝の区間タイム
以上の三つのデータから選手の1万メートルの事実上の走力を予想し、実際の1万メートルのベストタイムより良かった場合はそちらを採用しています。
(早い話が、駅伝オタクの勘に頼る部分が多いという事です)
シミュレーションは5回の平均値を1戦と数え、合計9戦行い、5番目に当たるタイムを予想タイムとしました。
前回までと比べて、変更点があります。
変更点1
今回は12月10日の16人のチームエントリーから、チームの実力者上位10人が出走すると仮定して行っています。
前回までのように、12月29日の区間エントリー後の方が精度が上がるとは思いますが、その時期は時間が取れないため、こういう形になりました。
ただ、実力者上位10人が出走するのは当たり前の事なので、それほど影響はないと思います。
変更点2
私の行っているシミュレーションでは、前回の箱根駅伝の区間タイムを最重要データと考えていますが、前回は強風が吹き、有力選手が集まる往路のタイムがメチャクチャになってしまいました。
そこで、2013年大会と2012年大会の区間5位選手のタイムを比較し、そのタイム差を風の影響と考えて差し引いてみました。
具体的には、2013年大会の2区〜5区の4区間に出場した選手はそれぞれ
2区2分8秒、
3区3分7秒、
4区2分40秒、
5区3分3秒、
を差し引いたタイムで走れると仮定しています。
その後、いつも通りに独自の考え方に基づき選手の走力を計算しています。
1区は他の区間と比べて風の影響を受けにくい事と、レース展開がタイムに与える影響も大きいため、元のタイムそのままで計算しました。
前置きが異常に長くなりましたが、予想順位とタイムを公開します。
2014年箱根駅伝 シミュレーション順位とタイム
1位 駒澤大学 10時間59分05秒
2位 日本体育大学 11時間00分44秒
3位 東洋大学 11時間00分45秒
4位 早稲田大学 11時間02分03秒
5位 明治大学 11時間04分17秒
6位 帝京大学 11時間05分46秒
7位 山梨学院大学 11時間08分53秒
8位 法政大学 11時間09分02秒
9位 東京農業大学 11時間09分29秒
10位 日本大学 11時間10分10秒
11位 青山学院大学 11時間10分14秒
12位 東海大学 11時間11分06秒
13位 大東文化大学 11時間13分11秒
14位 中央大学 11時間13分22秒
15位 中央学院大学 11時間13分24秒
16位 城西大学 11時間13分45秒
17位 専修大學 11時間14分30秒
18位 神奈川大学 11時間15分22秒
19位 順天堂大学 11時間17分17秒
20位 國學院大学 11時間17分57秒
21位 拓殖大学 11時間20分17秒
22位 国士舘大学 11時間22分57秒
23位 上武大学 11時間23分58秒
前回に続いて駒澤大がトップタイムです。
日体大、東洋大もトップと僅差で、早稲田大、明治大がそれに続き、「5強」を形成しています。
駒澤大のタイムは10時間59分台ということで、前回のシミュレーションの10時間54分台と比べるとずいぶん劣りますが、前回は現実の大会では3位に沈み、その速さを出しきれませんでした。
今シーズンは、出雲駅伝も全日本大学駅伝も横綱相撲の展開で勝利していて、前回よりもずっと「強さ」を感じます。
速さは数字に表れるけど、強さは数字に表れにくい。
今回はデータ上では、上位は混戦ですが、現実的には駒澤大の優位は動かないと思います。
帝京大が11時間05分台というハイレベルなタイムで6位と予想されていますが、今シーズンはとても調子が悪そうです。
持ちタイムの良さと、前回4位の実績があると、私のやり方ではどうしても好タイムが予想されてしまいます。
シード権は狙えるチームだとは思いますが、05分台は好条件がすべて重なった時の「上限値」だと思います。+5分くらいと考えた方が現実的かと。
シード権争いは、帝京大を含めて大混戦になりそうです。
シード権獲得ラインは11時間10分10秒まで上昇しています。1990年代の箱根駅伝ならば、優勝争いをしてもおかしくないレベルです。
今回は23チーム出場ですが、例年なら最下位になる20位のタイムに注目すると、11時間17分57秒とこれも素晴らしいタイムです。
これは2000年代ならばシード権を獲得できそうなレベルです。
過去3大会の、シミュレーションの20位のタイムは、以下の通りです。
2013年大会 11時間24分10秒
2012年大会 11時間29分51秒
2011年大会 11時間27分36秒
今回の11時間17分57秒というタイムは、下位チームの驚異的なレベルアップを意味しています。
しかも今大回は学連選抜チームがいないので、単独チームの中で20番目です。
他の大会は学連選抜が混ざるため、単独チームの中では19番目のタイムです。
個人タイムについてですが、前回は個人のタイムについてはピックアップしませんでしたが、今回は1人だけ行いました。
早稲田大の大迫選手です。
大迫選手は3年前の大会の1区では、シミュレーションでは1時間02分23秒、現実では1時間02分22秒で、わずか1秒差でした。
2年前の大会の1区では1時間02分04秒と予想し、現実は1時間02分03秒でした。
わずか1秒差が2大会続いたわけで、どういうわけか、私のシミュレーションと相性の良い選手のようです。
今回は大迫選手が何区を走るかは現時点ではわかりませんが、3区を走ると仮定してみました。
チームタイムを予想する時と同じように、9戦のシミュレーションで5番目に良いタイムを採用すると、1時間01分28秒と出ていました。
3区の現実の区間記録である、コスマス選手の1時間01分38秒を上回る可能性が高そうです。
なお、9戦の中の1番良いタイムは1時間00分54秒まで伸びていました。
今大会は優勝争いについては、飛び抜けて良い記録は出ないかも知れませんが、10位争い20位争いと言ったマニアックなところで、今まで見た事のないようなハイレベルな戦いが見れるかも知れません。
気象条件が良ければという前提ですが。
箱根駅伝本番まであと1週間。
毎日空に向かって祈ります。「往路の風だけは勘弁してください」と。
この17年間で、向かい風のせいで駅伝記録オタクは最低3回は泣かされてきました。
17年前の1997年大会で、中大の松田選手を応援していた私は、向かい風にトラウマがあります。
もう本当に風は勘弁して欲しいです。
吹くならばせめて、復路の追い風だけにして欲しいものです・・・