2010年7月前半
ナンパはしていないが、ナンパの為のファッション改革を行った。
ファッション雑誌を見たり、渋谷や横浜を歩く人たちを見たりしてお洒落を学ぼうとした。しかし、長年オタクだった私だけに、お洒落な人たちを見てもなんだか良くわからなかった。なにせジーンズメイトで初めて服を買ったのが22歳の時だった。それまでは親が買ってきた服しか着たことがなかった。
私は開き直った。とりあえず派手な服装をしようと思った。地味でダサい服よりは派手でダサい服の方がまだマシ。
お金があまりないので安い服しか買えないが、まずはシャツを買いに川崎の306やジーンズメイトに行った。火川という私のハンドルネームに合いそうな真っ赤なTシャツを選ぼうとした。
私が選んだシャツと同じ物をとなりの男子高校生が手に取って見ていた。高校生は母親と来ていた。母親が息子に言った、「そんな派手なシャツやめなさいよ。ちゃんと着れるシャツにしなよ」と。30歳過ぎて同じシャツを握り締めている私はなぜか罪悪感のような物を感じた。でも買った。人の意見など気にしていたら振り回されるだけ。自分の感覚を優先してみた。
赤を基調として、金色の靴やアクセサリーを身につけて派手な感じにしてみた。もうひとつ、黒を基調に銀色のアクセサリーを身に着けたりしたやや渋めな服装も考えてみた。
服や靴やアクセサリーなどは、川崎と横浜にある安い店とインターネットで購入した。店はジーンズメイト、306、ABCマート、ドンキホーテ、そしてリサイクルショップのブックオフ系列の服屋に100円ショップまで入っていた。安物ファッション勢ぞろいだった。
(2016年 追記)
この夏や冬頃に着ていたファッションを公開します。
長いので別に こちら にまとめました。
2010年7月15日
この日から5日連続でナンパをすることにした。まずは横浜に向かい5人に声かけ。収穫はまったくなし。5人だけでやめていたら当然だった。やっぱり横浜はやりづらい。
2010年7月16日
新宿で26人に声をかける。この日はついに新しいファッションで挑んでみた。赤いシャツに金色の靴でナンパをしてみた。
新宿と西武新宿を歩く乗換え組みの人たちに声をかける。20歳くらいの女の子と話が合い、並行しながら話し続けた。愛想はあまり良くなかったが、会話はちゃんと続いていた。名前はHちゃんと言い、今日はローソンでのバイトの帰りらしい。Hちゃんが持っている袋にはお菓子が見えている。それを話しのネタにしてみた。コンビニの廃棄で貰ってきたそうで、「良かったら食べますか?」と言われた。私は甘いものが大好きな性質なので、ありがたく頂戴した。
お礼にご飯をおごるという話をしてみたが、今は時間がないからと言われる。別の日にしようということになりアドレスを尋ねてみた。
赤外線のやり方がいまだにわからないので、手打ちで入力しようとしたら、Hちゃんが赤外線のやり方を教えてくれた。説明書を読んでもわからなかったので本当に助かった。私はアドレスをHちゃんに送り、上機嫌で立ち去った。
そして致命的なミスをしたことに気づいた。こっちから赤外線でアドレスを送っただけだから、Hちゃんのアドレスはわからなかったのだった。なんとなくメールを普通に一通送ったのと同じ気分になっていた。すっかり相手のアドレスをわかった気になっていていた。恥ずかしい。
別れ際に上機嫌で手を振って、「今度メールするよ」なんて言ってしまった。恥ずかしすぎる。最後Hちゃんは笑顔だったが、あれはマヌケ過ぎる私に対する苦笑だったのかもしれない。
東口に移動してナンパを続けた。30代くらいでちょっと足元がふらついている女性に声をかけた。その女性は話しかけてすぐに笑い出した。酔っ払っていてすごくフレンドリー。名前はFさんと言い、歳は36歳だった。有名な携帯電話の会社に勤めている人だった。しかしこのFさんは不思議な魅力がある人だった。決してルックスが色っぽいと言うわけではないのだが、フェロモンでも出ているのか、なぜかこっちの性欲を刺激するような感じがする女性だった。
最初Fさんがいきなり笑い出したのは、私のファッションがチャラく見えたからだったそうだ。私は基本的に重々しい性格をしていて、その性格で得をしたことはほとんどない。軽くてチャラい感じの人間には憧れすら持っていた。私はチャラ男になれたのだろうか。だとしたらちょっと嬉しい。
Fさんと駅の改札まで並行してトークを続ける。最初はこっちの誘いを断っていたFさんだったが、次第にガードが甘くなっていった。改札直前で一緒に飲みに行く話でまとまった。意外だった。お茶くらいならともかく、初対面でお酒に誘ってOKしてくれるとは。繁華街を2人で歩き、入れそうな店を探した。
終電はもう終わってしまったので、朝まで飲んで時間を潰そうという話しになった。お酒が大好きなFさんは乗り気だった。しかし、トントン拍子に「朝まで飲もうね」となってしまい、意外な展開に私は焦った。なぜなら私はほとんど酒が飲めないのであった。しかも車で来ているので、まったく飲めなかった。
ウーロン茶しか飲めず、酔っ払った女性にからまれて朝まで過ごすなんて考えたくもない。お金と時間の無駄使いになってしまう。
繁華街を歩いているときにカラオケ屋を見つけたので、「こっちにしない?」とカラオケに誘ってみた。Fさんはさらっと拒否。やっぱりカラオケ屋のような密室は危険だと思ったのだろう。地味なルックスだが男慣れしている雰囲気を感じた。手強そうだった。
この人は手強い、そう判断した私は、これはまともにやってなんとかなる相手ではないと思った。ダメ元で外で口説けるだけ口説いてしまおうと思った。
2人で歩いているとき、すでに理由はつけて手を握っているので、その手を引いて暗い脇道に引っ張り込んでみた。Fさんは抵抗なく付いてきた。肩に手を触れて、腰に手を触れて、相手の反応を見ながらタッチしていった。Fさんは拒否しなかった。思い切ってギュウッと抱きしめてみた。Fさんの頬にキスをする。そして、唇へキス。意外にも全く抵抗はなかった。ディープなキスをし続けた。
傍目には恋人同士にでも見えそうな光景だったと思う。でも実際には出会ってから20〜30分くらいの時間しか経っていない。
短時間で出会った女性とキスが出来て、私は舞い上がった。しかしトントン拍子に上手く行ったのはここまで。この先まで踏み込むことは出来なかった。
Fさんから「今日は生理だから、期待していることはできないよ」と言われてしまった。あきらめきれずに口説き続けたが、Fさんはタクシーで帰ると言い出し、近くの通りまで出るとタクシーに乗り込んでしまった。Fさんと別れた後はしばらく呆然としていた。出会ってから短時間で濃厚なキスを交わし、そしてすぐに目の前から消えてしまった。心の中を掻き回されたような気分だった。
連絡先は教えてもらっていたが、再会できる可能性は低いと思った。
Fさんの後はもうナンパをする気も起きず、すぐに家に帰った。
2010年7月17日
前日に引き続き新宿でナンパをする。この日は前日からファッションを変えて、黒いシャツに銀色の靴やアクセサリーで行って見た。19人に声をかける。
まずは西口周辺でナンパを始めた。20代後半くらいの女性に声をかけると、関西弁で明るい反応が返ってきた。兵庫から来たらしい。歌舞伎町方面にある韓国料理の店で友人と待ち合わせをしているらしい。場所がわからないと言うので一緒に探すことになった。
さすがに関西の人はノリが良くて、普通に会話をしてるだけで楽しかった。いきなり打解けてしまった感じで色々話しをした。
その女性は神戸市民だった。私は横浜市民。神戸とは港町同士なので、「宿命のライバルと出会った気分ですよ」と言ったら大ウケだった。他には何気ない会話しかしていないのだが、笑顔の多い女性と話しをするのはやっぱり楽しい。
「あっここだ!」、女性が突然目的の店を発見してしまった。私は最後にダメ元で抱きしめようとした。脈絡がなくて不自然だが、時間がなかった。本当は徐々に手を握ったり肩に手を回したりしようと思ったのに。
「お別れのハグ、アメリカじゃ普通」と言ってごまかしながら抱きしめようとした。隙を見て手を回し、ギュっと抱きしめようとしたら、女性は私の手を振りほどき、「アウトですよ!」、と笑顔で拒否。
この女性はブログを書いているらしく、今日のネタにすると言っていた。そういえばここまで仲良くなったのに名前をきいていなかった。
すっかり神戸の女性と長話になり、歌舞伎町の近くまで歩いてきてしまったので、東口でナンパを続けた。収穫はほとんどなし。あえて言えばTSUTAYAでプレステ3が24980円で売っていたことくらい。25000円を切ったらプレステ3を買おうと思っていた。持ち合わせがなかったので翌日買いに来ようと思った。
2010年7月18日
再び赤いシャツを身にまとい、金色の靴、金色のネックレス、金色の腕時計をして金ぴかオヤジと化して新宿の街に繰り出した。
まずはナンパの前にTSUTAYAにプレステ3を買いに行く。しかしTSUTAYAに行くと、「売り切れ入荷未定」と書いてあった。もしかして、前日にも書いてあったのに気付かなかったのかも。仕方ないので近くのヨドバシカメラに行き、店員にプレステ3の値段を尋ねると、計算機を打ち、「このお値段ですね」と見せられた。その金額は「22800円」だった。しかもポイントが5パーセント付くので、実質21660円だった。迷わず即購入した。
この日の昼に地元川崎のヨドバシカメラでプレステ3の値段をきいたら29800円だった。同じHD120ギガのモデルなのに、なんで新宿店はこんなに安いのだろうか。店員に「もっと大々的に売り出せば良いのに。危うくTSUTAYAで買うところでしたよ」と伝えてみたら、店員は「大々的に出来ない理由がありましてね」と笑う。なんだかわからないけど、新宿ヨドバシ恐るべし。
車に戻り、プレステ3をトランクに入れて、再び繁華街に戻った。
やっとナンパを始める。最初の1人でMさんという女性のアドレスをゲット。東口繁華街の暗い道で声をかけると、最初はかなり怪しんでいたが明るいところに出るにつれて会話も弾んでいった。安心したんだろう。しかしこのMさん、暗いところで見たときは若そうな感じだったが、明るいところに出るとちょっと年齢を感じてしまった。
Mさんと別れて、東口周辺でナンパを続ける。20代前半くらいのお洒落な女の子に声をかけた。その女性はボーカリストだった。メジャーデビューの一歩手前くらいの状態らしい。「私はそういう女じゃないから」とナンパ男に冷たい態度だった。私も歌好きで、ボーカル教室に通っていたこともあった。それを話すと女性はこちらに興味を示してくれた。
私が以前通っていたボーカル教室には、この女性のようなプロの卵たちがいっぱいいた。みんな物凄く上手くて、それを聞くのも楽しみだった。教室をやめてずいぶん経つので、準プロ級の歌声は最近は聞く機会がなかった。私はこのボーカリスト女性に興味をもった。「ナンパするのやめたよ純粋に歌が聞きたい」と本音で言ったらなぜかウケてしまった。しかし、ここで女性の携帯が着信。数分待ってみたが長話になりそうだったので、手を振って別れてきた。ちょっともったいなかったような気もしたが。
この日は合計41人の女性に声をかけた。やたら反応が良くて3人に1人はまともに会話をしてくれた。赤と金の派手な服装は意外と私に合っているのかも。
2010年7月19日
5日連続ナンパの最終日。黒いシャツを着て、銀色の靴を履き、銀色の腕時計をし、ウォレットチェーンでもないのに腰に銀色のチェーンをぶら下げて新宿の街に出た。銀ぴかオヤジだった。
TSUTAYAの前でかなり顔立ちが整った女の子に声をかけた。本当に顔立ちが整っていて、ファッションが地味ではあるが、それがまた清楚な感じで正統派だった。話しかけると驚いていたが、なんとか受け答えはしてくれた。しかし、話の内容以上に気になったことがあった。それは、この女の子は前歯の歯茎から血が出ていた。
最初はそうでもなかったが、話が長くなるにつれて出血の量も増えていく。本人は大丈夫と言っているけど、話しも盛り上がってはいないし、これ以上口を動かさせるのは悪い気がしてきた。こちらから別れを告げて去ってきた。
東口のヨドバシの前辺りで酔っ払い気味の女性を発見。これ幸いとばかりに声をかけた。20代中盤くらいで派手な服装だった。その女性は酔ってはいなかった。貧血でふらついていたらしい。なんとなく、ついさっきの歯茎から血が出ていた女の子のことが頭を過ぎる。あの子は貧血は大丈夫だろうかと。
貧血女性はふらついていたので、「道路で倒れたりしたら轢かれちゃうよ。倒れそうになった俺が支えるよ」と支えるポーズをとる。ウケたので、理由をつけて肩に手を回したり、手を握ったりもした。女性はむしろ喜んでいる感じで、私はこれはいけると勢いづいた。だがこの後、大きなミスをした。
名前を尋ねたら、某元アイドルと同じ名前だったので、「ノ○ピーって呼んで良い?」と尋ねて、「嫌・・・」とドン引きさせた。女性の表情が一瞬で曇るのがわかった。まさに自爆だった。
この後もかろうじて会話は続いた。好みのタイプの女性だったのであきらめ切れなかった。しかし女性はもうタクシーで帰ると言い出し、タクシーを停めて乗ってしまった。私はタクシーのドアを押さえてなんとかメルトモにだけでもなってくれないかと粘ったが、運転手さんの迷惑そうなガン付けに敗北して引き下がった。
しかし自爆したのは反省しなければいけなかった。久米田康冶のマンガのかってに改蔵(絶望先生だったかも)でもネタになっていたが、こっちは面白いつもりでも、本人にしてみれば、言われ続けて飽き飽きしているんだろうと思った。
西口に移動してナンパを続けた。すると、若くてお洒落で顔も可愛いと3拍子そろい、おまけにスタイルはモデルみたいな女の子が通りかかった。パーフェクトな雰囲気が漂う人だった。イヤホンをしていたので話しかけるかどうか迷ったが、逃げるのが嫌だったのであえて行ってみた。
話しかけるとその女の子はイヤホンを外してくれた。意外にも会話が始まった。よく見ると右の頬に小さな水色の♪を貼り付けている。結構不思議な子だった。最初はかなりノリが悪そうな反応だったが、会話を延長していくにつれて警戒を解いてくれた。
彼女は18歳で高校3年生。高知から来ていると言っていた。友達と会うために東京まで来たらしい。お茶に誘ってみたが、今から友達と会うからと断られる。連絡先を訪ねたら、自分の携帯の番号を忘れたと言い出した。堂々とこんなことを言うなんて、よっぽどナンパ男をあしらうのに慣れているのだろうと感じて、逆に感心してしまった。
話しを続けているうちになにか言葉の発音がおかしいことに気付いた。それを尋ねると、上海から来ていると言い出した。この女性は中国人だった。高知はなんだったんだろう。コウチという名の中国の地名なんだろうか。女性に名前を尋ねたらNちゃんというらしい。どうみても中国人の名前ではなかった。ニックネームなのか、ハーフなのか。(ちなみにNちゃんの名前は、2人のNが出会う有名な少女漫画と同じ名前でした)
Nちゃんが今持っている携帯は東京にいる間しか使わないから、本当に番号は覚えていないらしい。まだ数日は東京にいるらしいので、その間にもう一度会いたいと伝えたら、Nちゃんから「じゃあ私から今コールします」といって、私の携帯の番号に電話をかけてもらい、Nちゃんの番号をゲットすることが出来た。
この後は特に収穫はなく、5日連続のナンパを終えた。
2010年7月31日
16日に新宿でナンパして、いきなりキスまで行けたFさんからメールが来て、「新宿でまた会わない?」と誘われてしまった。意外だったがチャンスなので、「今度こそゲット!」と鼻息を荒くして会ってきた。
アルタの前で待ち合わせて2週間ぶりにFさんと対面した。昼の明るい時間に見ても、Fさんは不思議な色気がある女性だった。カラオケに行こうという話しだったので、TSUTAYAのとなりのカラオケ館に入った。
カラオケ屋でFさんは「涙そうそう」と「ハナミズキ」を歌っていたので、それらをカバーした歌手の徳永英明の話題を出してみたら話しが盛り上がった。そして、徳永と同じ曲を英語でカバーしたエリック・マーティンの話を出してみた。エリック・マーティンがハナミズキやMISIAのEverythingを英語でカバーした話を出すと、Fさんは興味津々で、Everythingを是非聞いてみたいと言っていた。
余談だが、今までナンパした女性でEverythingの英語版に興味を示した人はかなり多かった。元々女性に大人気の歌だし、その名曲を英語で外人男性が歌うというシチュエーションに日本の女性は弱いのかも。エリック・マーティンはもっと売れても良いと思うのだが。
私がEverythingの英語版を練習したことがあると伝えると、聞きたいと言ってくれたので歌ってみた。
お互いが数曲ずつ歌った後、私はFさんに迫ってみた。理由をつけながらFさんの肩や首筋、手などに触れてみる。反応は結構良かった。抱きしめて頬にキス、そして唇へのキスもなんの問題もなくさせてくれた。「今度こそゲットできる」と確信したが、Fさんはキス以上のことになると急にガードが堅くなってしまった。カラオケの残り時間30分ほど、ずっと口説き続け、最後はほとんどお願いし続けた、「口説かれてやってください」と。最終手段のつもりだった。
Fさんは頑なに拒否し、結局そのままカラオケ屋を出ることになった。部屋を出てエレベーターでフロントまで降りる。エレベーターの中でまた抱きしめてみた。またキスまでは簡単にさせてくれる。でもやっぱりそれ以上は許してくれなかった。
私は女性を口説くのはいつもカラオケ屋だった。いつもワンパターンの口説き方だった。Fさんをカラオケ屋で口説けなかった以上、もう私の負けだった。
カラオケ屋を出て近場を2人で歩いた。Fさんは紀伊国屋に行きたいと言うので2人で紀伊国屋を見て回った。
お互いにまだ昼を食べていなかったので、何かを食べようと言う話になった。紀伊国屋から歌舞伎町方面に歩くと、イタリアンの店を発見した。私は冗談のつもりでおごってと頼んでみた。FさんはあっさりとOKしてくれた。本当に冗談のつもりだったので意外だった。
そのイタリアンの店は、何かの大会で優勝したというパスタの写真がデカデカと出ていた。そのパスタを注文してもらったがあまり美味くはなかった。パスタを食べながらFさんは映画の話を持ち出してきた。Fさんは「ローマの休日」や「めぐり逢い」、「風と共に去りぬ」といったクラシックなラブロマンス映画が好きと言っていた。
店を出てFさんと別れる。夜にメールをしたがFさんが返事をくれることはなかった。
後で気付いたのだが、Fさんがラブロマンス映画が好きだということを言い出したのは、「映画のようなロマンチックな出逢いに期待していたのに、下心丸出しのあんたに幻滅した」というメッセージだったのかもしれない。
私は女性の夢を壊してしまったのかもしれない。だが、これで消極的にもなりたくはない。私はナンパを続けるべきなのだろうか。ちょっと悩んでしまった。