目的地は九州・鹿児島県。
鹿児島でのナンパをメインにしつつも、出会い系サイトも併用し九州のどこかの県を最低でも1つはゲットしたい。そんな目標を立てて出発した火川勇気。
GWの渋滞に阻まれて予定は大きく遅れ、睡眠時間を削って運転してたら体調も悪くなってしまい、疲れ果てて九州到着。
長崎県で出会い系サイトの女性と会ったらあっさりゲット。しかしその女性のルックスは・・・ゲットした後こっちが心に傷を負うほど酷かった。
なんとか気を取り直し、出会い系サイトでメールをしていたもう1人の女性と会うために宮崎県に向かう。
「明日なら空いてますよ」、そう言った女性の言葉を信じて、宮崎県内の高速道路のパーキングエリアに車を停め、今回の旅の4日目の夜を迎えたのだった。
5日目
8時過ぎに目が覚める。意外と快適な車中泊だった。
出会い系サイトでメールをしていた、宮崎県の30代女性に連絡をしてみた。都合の良い時間や待ち合わせ場所を尋ねてみた。すると、「風邪ひいちゃって。」と、遠回しに会う事を拒否されてしまった。
ダメだこりゃと思った。この女性は最初から会う気はないのにメールしていたか、下ネタ話をいっぱいしていたので会ったらすぐにセックスになってしまう可能性が高くて、怖じ気づいたのか、理由はわからないけど、この宮崎県の女性とは多分会えないだろうと思った。
火川はメールテクニックなんて物は持ち合わせてないので、会う気もない女性をその気にさせる事なんて出来なかった。
高速を降りて一般道で鹿児島に向かった。途中、宮崎県都城市でイオンがあったので立ち寄る事にした。鹿児島でのナンパに備えて準備運動として、このイオンでナンパを行った。
車を駐車場に停めて店内に向かう時、ヒールのある赤い靴を履いた女の子を発見する。
「赤い靴すごく似合ってますね。」と話しかけると足を停めてくれた。旅行者である事を告げて、イオンの中にある飲食店で美味しい店について尋ねてみた。親切に答えてくれたけど、この後の予定を尋ねるとそわそわし出した。買い物の後に友達と会うらしい。結局それ以上は踏み込めず、連絡先も教えてはもらえなかった。後から、ナンパっぽい声かけの後に道ききみたいな質問はなんだかチグハグだったと反省する。
店内に入ってナンパを続けた。不思議なデザインの帽子をかぶっていた20代中盤くらいの女性、帽子をネタに話しかけたけど、愛想は良いけど、あまり話は弾まなかった。
食品売り場に行って土産コーナーで品物を手に取ってる女性に声かけ。「宮崎県のお土産でなにか良いのありませんか?」と尋ねてみた。質問には答えてくれて軽く雑談になったけど、女性はすぐに断りモードになってしまった。
他にも食品売り場で、ヨーグルトを見ていた派手なギャルに声をかけた。「このヨーグルト売れてますよね」と。このギャル女性は店内の雑貨店の店員だった。やっぱり雑談には応じてくれる→断りモード、と今までの女性と同じパターンでダメだった。
もう1人、宮崎県小林市から来ているという色っぽい女性にも同じパターンで断られた。このイオンでは5人に同じパターンで断られていた。みんな愛想は良いんだけど。
店内には女子高生の二人組がフラフラ暇そうに歩いていて、何度もすれ違った。声をかけようかとも思ったけど、「店内で、二人組みで、しかも制服姿の女子高生か」と、悩んでしまい声をかけれず終いだった。
イオンを出て周囲を歩いた。するとブックオフを発見した。店内の少年マンガのコーナーに若いお洒落な女の子が1人ぽつんといた。派手さを抑えつつお洒落な雰囲気を出していた。洗練された都会的な雰囲気に感じた。
なにかを探している感じだったので、そのまま「なにか探しているんですか?」と声をかけた。女の子はすごく笑顔。愛想が超良い。「お姉ちゃんに頼まれてスラムダンクを買いに来たんだけど見つからなくて」と言っていた。
スラムダンクの話題の後も雑談が続き、可愛かったから声をかけた事を伝えたら大喜びしてた。話しを続けようとしたら、女の子の方から「ここを出ません?」と提案された。火川が連れ出されてしまった。
ブックオフの外で話しが続く。この女の子は名前をKちゃんと言った。都城生まれの都城育ちらしい。私が神奈川県からきた事を告げて、Kちゃんが東京の原宿とかが似合いそうな都会的な雰囲気に見えたと話すと喜んでた。
Kちゃんに、イオンに車を停めてここまで歩いて来た事を話すと、イオンまで送ってくれると言い出した。まさか車に乗ってるとは思わなくて驚く。どこから見ても10代に見えるんだけど。
それに、出会って10数分の男を自分の車に乗せてくれるなんて関東じゃ考えられない事だし、本当に驚いた。
Kちゃんに歳を尋ねてみたら、意外にも25歳だった。下手すると10歳は若く見える。しかも、すでに結婚していて娘さんがいるらしい。Kちゃんが持っていたバッグは、育児用の専用バッグだった。中には哺乳瓶が入っていた。このバッグもすごくお洒落に見える。本当にセンスが良い子だった。
車に乗せてもらいイオンに送ってもらう。「出会ってすぐなのに車に乗せてもらえるとは思わなかったよ」と、驚いたことをKちゃんに伝えると、妙な事を言い出すKちゃん。「最初ナンパかと思ったけど、でも話していて違うってわかったから。」と。
ナンパだよKちゃん。
そういえばついこの前、東京新宿でナンパした人も、「びっくりした、ナンパかと思ったよ」と同じようなこと言っていた。女性にとって、見知らぬ男に声をかけられる事と、ナンパされる事って別なんだろうか。
Kちゃんはイオンで買い物があるというので一緒に店内を見て回った。
さっきまでと比べるといまいち話が弾まない感じになってきた。ネタ切れになってしまい、単調に褒め言葉を連発するくらいしか言えなくなってきてしまった。
服を売ってるショップで、「ちょっと1人で服を見たいから」と言われてしまい、私は1人でベンチに座って時間を潰した。このままKちゃんは戻って来ないんじゃないかなと思った。
約10分後、「お待たせー」と笑顔で返ってくるKちゃん。笑顔がマジで可愛いかった。
Kちゃんはこの後は家事が忙しくて帰らないといけないらしくて、ここでお別れとなった。
イオンの建物内部の駐車場に停まっているKちゃんの車に戻る。私の車は1階の平面駐車場だった。Kちゃんにその事を告げると、わざわざ私の車まで送ってくれた。
連絡先を尋ねるとすぐに教えてくれた。今回の旅で初めての連絡先ゲットだった。
Kちゃんと別れて、都城を出発する。国道10号線を進み、いよいよ今回の旅の目的地である鹿児島県に入った。
以前にも泊まった事のある国分市に差し掛かったら、市名が霧島市に変わっていた。三重県の上野市もそうだったけど、泊まった事のある街に久しぶりに訪れた時、市名が変わっているとなんかさびしい気がする。
さっそくKちゃんに国分市がなくなってしまった事をメールすると、何年か前に合併で名前が変わったと教えてくれた。Kちゃんはメールでは、「〜やし」とか、「〜やけど」とか関西弁風な言葉遣いだった。なぜ?・・・
ネットカフェの自遊空間の場所を確認するために国道10号を外れる。するとサティを発見。ここで早速ナンパをしようと思った。とにかく即行動を心がけないとすぐに怠けようとしてしまう。
サティの駐車場に車を停めると早速イイ女を発見。目が茶色い。「ハーフの方ですか?目がすごく綺麗ですね」と声をかけた。なんでも、ハーフじゃないけどカラーコンタクトでもないとか。元々目が茶色い体質らしい。
都城のナンパの時と同じように、雑談には応じてくれるけど、お茶に誘ったり連絡先を聞く方向に話を持っていくと断りモードになるというパターンだった。
サティの中でイスに座ってジュースを飲んでいた女の子に声をかけた。芸能人も真っ青なくらいの超美形。飲んでいるジュースについて尋ねてみたら、店内の自動販売機で買ったと教えてくれた。そこから雑談に入った。
看護師を目指して5年間の専門学校生活の途中らしい。雑談のあとに連絡先を聞いたら、彼氏に悪いしと断りモード。しかし、あまりに綺麗過ぎるルックスに諦めがつかず粘ってみた。すると女の子は携帯を取り出してくれて、私のアドレスにメールを1通送ってくれるという事になった。
女の子はかなり迷っていて入力が遅い。私は女の子に「携帯を借してくれる?僕がアドレス入力をするよ」と伝えた。女の子は携帯を渡してくれたけど、引き気味になってしまい、「もっと他にいい子がいますよ・・・」とあきれた口調で言われてしまった。
女の子の携帯をいじりながらアドレスを入れようとしたけど、冷たい目で見られ続け、こりゃダメだと思って入力は途中で止めた。携帯を返して立ち去った。
しかし本当に綺麗な子だった。私のナンパ人生では、先日新宿で話しをしたアヴリル・ラヴィーンに似た外人美女と、タイプは違うけど双璧で最高の美しさだったかも。美女とは話をするだけで心が踊るような気分になる。
サティの食品コーナーでドレッシングを見ていた女性に声をかけた。茶髪で結構派手な雰囲気の人。「種類色々ありますよねドレッシング」と話しかけたら女性はいきなり笑いだした。しかし、すぐに私から離れようとした。
私は慌てて引き留めて、「すごく好みのタイプだったから話しかけた」と直球で好意を伝えた。女性は「こんな所で話しかけるなんて」と笑い、また私から距離を取ろうとする。
私は旅行で来てる事を告げて、「鹿児島の事がわからないから、メールだけで良いから鹿児島の事を教えて欲しい」と伝えてみた。女性は携帯のメーカーを尋ねてきた。ソフトバンクだと告げると、やたらと喜ぶ。この女性はすぐ近くのソフトバンクのショップの人だった。
今は休憩中らしい。なんで仕事の休憩中にドレッシングを見ていたのかは謎だが。この女性はかなり笑い上戸なのか、何を言っても良く笑う。それなのに警戒心は強いのか、すぐに私から距離を取って離れようとするし、雑談にも応じてくれない。メルトモになって欲しいと告げても、断られてしまう。
「ソフトバンクの人なら番号だけで僕の個人情報わかるでしょ?大丈夫。怪しくないよ。」と説得をしてみたけど、なぜか爆笑されただけで、結局なんの収穫もなかった。
サティを出て、近くにあったゲオに入った。レンタルDVDコーナーで世界遺産のDVDを手に取っている30代くらいのメガネをかけた女性がいた。「マチュピチュ(ペルーの世界遺産)ってありませんか?」と声をかけてみて、雑談になった。女性は愛想笑いを浮かべつつも警戒してる様子。
女性は中学校の先生だった。「世界史の先生ですか?」と尋ねてみたら美術の先生だった。そういえば世界史は高校だった。私は絵を描くのが苦手なので、絵の描き方について質問をしてみたりした。
結局、雑談には応じてくれて、ナンパだとわかると断りモードという同じパターンで失敗した。
同じようなパターンでサティとゲオで8人に声をかけて断られ続ける。みんな愛想が良いだけに、話が長続きしてしまい時間がかかってしまった。この場所での声かけは止めて、鹿児島県の中心・鹿児島市を目指して出発することにした。
出発する前に鹿児島市にいる友人にメールを送った。この友人とはかなり長い付き合いだった。
02年、当時22歳の時、自転車で日本縦断の旅の時に出会った人だった。関東から鹿児島まで飛行機で移動し、自転車を組み立てて鹿児島空港を出発した私。九州最南端の佐多岬をスタートし2ヶ月かけて北海道最北端の宗谷岬のゴールへ。ゴール直前に突然声をかけてきた人がその友人だった。
スーパーカブで旅をしていた友人。私が「どこから来たんですか?」と尋ねると、さわやかな笑顔で「鹿児島です」と。鹿児島から必死にペダルをこぎ続けて来た私は、ゴール直前で振り出しに戻されたような気分を味わった。その後もバイクで旅をしていた時も会いに行ったり、年賀状のやり取りが続いていたりと、9年経っても付き合いは続いている。
友人から返事が届き、夜にメシでも食おうという話になった。
夜、鹿児島県鹿児島市に到着した。やっと目的地についた。渋滞やら、出会い系サイトの女性に会うためやらで、予定が遅れに遅れて、5日目でようやく到着。正直言ってすでに疲れ果てていた。体調も悪いし。
市内を軽く走って安く停めれそうな駐車場を探す。繁華街からそう離れていない場所、大門口通りという所にパーキングメーターを発見する。標識をチェックすると、夜間は駐車フリーだった。パーキングメーターに車を停めて繁華街に行ってみた。
鹿児島の繁華街はかなりの大きさだった。メインになっているエリアは「天文館」という名で呼ばれている。最初は建物名かと思ってしまったけど、繁華街の中心エリアの名前だった。
天文館のアーケードで2人組み女性に「こんばんは」と声をかけて、思いっきりシカトされる。「二人めっちゃ仲良いですね」と粘って話しつづけると、「はあ」と所々返事が返ってきた。警戒を解く事はできず、これはとても無理と判断して、こっちから距離を取った。
九州に来てから18回目の声かけにして、初めて愛想の悪い反応に当たった。でもこれが普通。今までの女性が建物内のナンパが多かったから、向こうはナンパだと思わずに無理して愛想の良い反応をしてくれたのだろう。
鹿児島の友人からメールが届き、ファミレスでも行こうという話しになった。この日の鹿児島市内のナンパは1回で切り上げて友人と会った。九州にいっぱいあるファミレスのジョイフルに行って、ドリンクバーで粘りながらあれこれと旅談義。
ナンパの話もしてみたら、意外とウケていた。気付けば夜中の2時過ぎ。友人から車中泊にはマックスバリューの駐車場がちょうど良いときき、そこに泊まる事にした。友人に案内してもらい、マックスバリューで別れた。
いまいち落ち着いて眠れず、朝方に目が覚めてしまう。やっぱりスーパーの駐車場は落ち着かなかった。場所を移動し、ちょっと離れた場所にある、道の駅喜入に向かう。道は空いていてあっさり到着。車を停めて、再び眠った。
6日目
朝9時頃に目覚める。それほど暑くなかったのが幸いした。しばらくコンビニで雑誌を読んでのんびり過ごす。道の駅喜入には入浴施設があったので、風呂に入って今日からの本格的なナンパに備えた。
しかしまだ昼過ぎ。今から鹿児島の繁華街に行ってナンパすべきだろうか、少し遅い時間まで待つべきだろうか、と悩む。
とりあえず指宿(いぶすき)の方向に向かい、スーパーなどで声をかけてみようと思った。
指宿までの道は結構混んでいて時間がかかった。100円均一のショップがあり、この中で1人声をかけた。反応はこれまでの店内ナンパと同様に女性は愛想笑いをしつつ逃げ腰。
その100均のすぐ近くにはスーパーがあったので、そこに移って店内で若い女性を探した。魚売り場で、なんだか良くわからない小さい魚の詰め合わせパックを手に取っていた30歳くらいの女性に話しかけた。「この魚ってなんですか?」と。女性も良くわかっていなかったようだった。パックを見れば書いてあるんだろうけど、女性は愛想笑いしつつ「さあ〜なんでしょうね」と。相当動揺してるのが良くわかった。私が旅行者であることを告げてみると、「そうなんですか」と話は合わせてくれる。会話は全然弾まず、1分程度で別れた。
このスーパーでは合計4人に話しかけて、みんな表面だけ愛想の良い反応をしてくれて、実際は引き気味というパターンだった。
スーパーの駐車場に戻る。さあ鹿児島市内の繁華街に向かおうか、と思ったら昨日夜中までダベッていた鹿児島の友人から電話があり、また会う事になった。友人との待ち合わせに鹿児島市内方向に向かったら、大渋滞に巻き込まれる。GWはこの辺りは渋滞がすごい。待ち合わせ場所についたのは夕方だった。
友人と会い、鹿児島で知らぬ者はいない巨大スーパーホームセンター「AZ」に連れて行ってもらった。本当に巨大だった。食品から日常雑貨、車やバイクまで売っている。関東では考えられない規模だった。この巨大施設が24時間営業というのもすごい。友人いわく、「鹿児島にはドンキホーテがないけど、AZがあれば問題ない」と言っていた。
AZを見て回るのに時間がかかり、すでに時刻は夜8時を過ぎていた。
鹿児島市内に向かい、友人と鹿児島名物の「鶏飯」を食べに行った。ごはんに鶏肉などの具をのせて、スープをかけて食べる。何杯もするすると胃に入ってしまい、ごはんとスープはおかわり自由なのでつい食べ過ぎる。
鶏飯を食べた後、店の駐車場で「次は東京で会おう」と友人と握手を交わし別れた。
ここからはついに1人の戦いが始まる。夜10時。ナンパにはちょうど良い時間だった。しかし・・・
鹿児島の繁華街近くに到着。昨日と同じパーキングメーターに車を停める。いよいよ本格的にナンパをせねば。その為に時間もお金もかけて遥々来たのだから!
だが大問題が生じていた。体が動かない。地蔵病ではなくて、物理的に動けなかった。胃に大量に詰め込んだ鶏飯が、ボディブローのように後から効いてきたのだった。ちょっと一休憩とシートを倒して目を閉じていたらそのまま寝てしまった。気付くと深夜0時30分。
「こんな時間だからもう歩いている女性はいないだろうし、明日からの方が良いかな」と考える私。瞬時に、そんな甘えた自分に怒りを感じて、車を飛び出した。
「おんな、おんな、おんな」ブツブツ言いながら周囲を見渡していると、いきなり発見。いるじゃん!勢いをつけて声をかける。完全シカトだった。
2時間以上の仮眠がきいて、胃の調子はすっかり良くなった。体が軽い。天文館のメインストリートに向かうと、意外と女性はいた。さっき完全シカトした女性を含めて、8人に声をかけて、全然ダメ。無視か、無表情のまま表面だけ「はあ」と生返事をするかのどっちかだった。鹿児島の繁華街は異様に反応が悪い。東京の渋谷や新宿よりも悪いんじゃないかと思った。なれない場所で私のテンションが低いのも影響していたかもしれないけど。
9人目の女性に声をかけた。後姿は若くてスカートも短くて色っぽい女性。前に回ると40代とわかってしまう人だった。歳はともかくスタイルやファッションは悪くはなかった。
話し相手はしてくれそうだったので、会話を続けた。女性は歳は44歳で、なんでも今日は嫌な事があったらしい。その内容を聞くと、同窓会に出て、久しぶりの人たちと大喧嘩して帰ってきたそうだった。そりゃ落ち込みそうだと納得。
「憂さ晴らしに遊びに行こうと」誘ってみたけど、帰るの一点張りで意外とガードが堅い。
女性のグチは延々と続いたけど、かなり酔っていて支離滅裂。なに言ってるのか良くわからなかった。相づちを打ちつつ、「年上の女性好みなんですよ、めっちゃ美人じゃないですか」、と話が噛み合っていないけどとりあえず褒める。
かなり酒も入っていて、ふらついたりしていたので、それを理由に手を握ったり肩を抱いたりしてタッチしてみた。タッチすると女性は最初は無抵抗だけど、しばらくすると、私の手を振り払ってしまった。
女性のルックスをほめつつ、下ネタを言ってみた。胸の形が綺麗だと話題にしてみたら反応は悪くない。そこできつい下ネタを言ってみた。「あっ!お姉さんを見てて、出ちゃいました。見てるだけでイッちゃった」と。
「やだキモーい。」と言う女性。顔は笑顔。多分顔の方が本音を現していると思った。
この後も、グチを聞く、とりあえず褒める、下ネタを言う、という同じような会話のパターンが何度も繰り返される。
天文館から鹿児島中央駅方向にゆっくり30分くらいはかけて歩き続けた。女性のマンションに到着する。あわよくば、このままマンションになだれ込めないかと企んだが、女性から「旦那がいるからここまでで良いよ」と言われる。結婚していたようだった。先に言って欲しかった。
最後に「親切なお兄さんありがとう」と礼を言われて別れる。
やっとストリートで愛想の良い女性と会えたので、この日のナンパはここまでにした。
44歳女性と会話をしてる時、最初の数分は真面目に話をきいていたけど、途中からは同じパターンの繰り返しだったので、女性にくっつきながら適当に会話を流しているだけだった。
この時、44歳女性と話しつつ、同時に通りかかる女性をカウントしていた。時間は深夜1時過ぎだったので、鹿児島の繁華街は深夜でも1人で歩いている女性、ナンパの対象になる女性がどれだけいるかを数えていた。44歳女性と別れた後、車に戻る間もカウントしてみた。
時間は1時20分〜2時20分の約1時間。場所は天文館のメインのアーケードから鹿児島中央駅の間。女性のルックスは一般的に性の対象になりそうなレベルで、年齢はパッと見が10代後半〜30代後半くらい。この条件でカウントしてみた。
10代っぽい女性は確認できなかったけど、20代〜30代くらいの1人歩きの女性は10人もいた。地方都市でこの時間にこれだけの女性があるいているのはすごいと思う。複数組みの女性たちもいたけど、繁華街からちょっと離れると1人歩きの方が多かった。鹿児島は深夜でも女性が1人で歩きやすい街なのかもしれない。GWの真っ只中というのも影響してるのかもしれないけど。
前日にも泊まった喜入の道の駅に移動して眠った。
7日目
目が覚めて車の窓を見ると粉がついてザラザラだった。「なんだこれ?」と思いつつ、水をかけて掃除する。
昼から鹿児島の繁華街に行く。80分100円という格安パーキングに車を入れて、天文館に向かった。
昼の天文館は人通りがすごかった。GWという事もあるんだろうけど、相当の賑わいだった。選び放題だったので最初のうちは20歳前後の若い女の子をメインに声をかけた。
まず9回の声かけを行った。反応は悪かった。声をかけてビクっとなる人や、おびえるような反応をする人もいた。話しに応じてくれた人もいたけど、すぐに断りモードだった。
2人組みに対する逆3ナンパも2回行った。話しかけると楽しげにしていた女性同士の会話がぴたっと止まり静かになる。その後は完全無視。これはナンパ男に対する敵意というよりは、単純に驚いている感じだった。
ナンパしてると周囲の人の視線をかなり強く感じた。周囲の人からじろっと見られる事が多かった。真昼間だったので目立ったのかも。しかも火川は赤い服装に金の靴を履いてかなり派手にしてたので。
10回目に声をかけた人は、残念ながらちょっとルックスが悪かった。20代くらいの歳で背が小さくて可愛い雰囲気。ファッションも良いし、痩せてるのに、変なメガネが致命傷に見えた。遠くから見た感じでは可愛いメガネっ娘に見えたんだけど。
「ちょっとききたいんですけど、鹿児島の大きな駅って鹿児島駅ですか?鹿児島中央駅ですか?」と質問で話しかけてみた。女性は「鹿児島中央駅ですよ。鹿児島駅って何にもないですよ」と親切に教えてくれた。
女性の名前はAちゃんと言った。雑談に移り、買い物で街まで来ていた事をきく。歩きながら話は続き、私が旅行者だと告げると、Aちゃんも旅行好きで全国を色々回ったことがあったそうで、話が合った。Aちゃんは北海道の旅の話に特に食いついてきた。
お茶に誘うとあっさりOKしてくれた。
ここで小ネタを一つやってみた。Aちゃんがしてるネックレスは鍵の形をしていたので、それを触らせてもらい、自分の胸に当てて、「ガチャ、心開いちゃったから」と言ったらウケた。続いてAちゃんの胸の辺りに当てて、「ガチャ、心開いちゃおう」とやってみたらすごくウケた。
喫茶店に入って凄く驚いた。Aちゃんはメガネを外したら、いきなり2ランクくらいレベルアップ。全然普通の女の子だった。普段はコンタクトだけど、たまにメガネをかけるらしい。メガネが致命傷なだけで、顔は普通だった。せめてメガネのデザインにはこだわった方が良いと思うのだけど。
お茶を飲んだ後、連絡先を交換して別れる。翌日にまた会おうという話になった。
休憩をしていると、出会い系サイトの宮崎県の30代女性から2日ぶりのメールが届く。もうすっかり忘れていたのに嫌なタイミングでメールをくれる。数通のメールのやり取りをしてると、今日会えそうな雰囲気だった。この女性とはハードな下ネタトークもしているので、すぐにゲットまで行ける可能性は高い。
私は車を停めているパーキングに向かい、いざとなったらすぐに宮崎県に行けるように準備をしようと思った。
宮崎県の女性はまだ悩んでいるようだったので、私は駄目押しのつもりで「30代は女盛りですよ、今をいっぱい楽しむ事が大事だと思いますよ」と送ってみた。すると女性は「40過ぎたら女じゃないって事ですか?」と怒ってしまった。これは私の言い方が悪かった。
一応宮崎県の女性にフォローのメールを入れて、車の周辺で待機して返事を待つ(結論・返事は来ませんでした)。
私の車のすぐ近くでピンクの服を着たちょっとケバい女性を発見した。すごく細いスタイル。目が合ったけど、特に声はかけず、私は近くのコンビニに向かった。
コンビニの雑誌コーナーに行った。この店の雑誌は閉じられていて立ち読み出来なくされていた。「嫌な店だな」と思っていたら、すぐとなりにさっきのピンクの服の女性が来ていた。「嫌ですよね。これ」と閉じられてる雑誌を指差してみると、女性は笑った。
「さっきも会ったよね?なにしてたの?」と尋ねた。すると返ってきた答えは・・・「出会い系で稼ごうと思ったんだけど、すっぽかされたー」と。コンビニの中で大きな声でそんな事いうなよ!
なんでも、飲みに行きたい店があるけど金がなくて、たまに出会い系サイトを使って体を売ってお小遣い稼ぎをしてるそうだった。普段は雑貨の店でバイトしてるらしい。
「今日会う予定だったオヤジは、前にも会った事があって、汗だくになって腰振ってくるんだよ。」と様子を話してくれる。だからコンビニで言うなって!
確かに細いし、魅力は中々あるけど、かなり危なそうな雰囲気の女性だった。「飲みなら俺がおごるよ。俺と飲もうぜ」と誘ってみたけど、その女性は自分の分は自分で払いたい、というポリシーがあるらしい。おごられるのは嫌だと断られてしまった。それともルックスで火川は弾かれたのだろうか?。
コンビニを出てまだ話は続いた。援助交際について色々尋ねてみた。コンドームって使うの?ときいてみたら、「生でやる時もあるよ。その時は次の日病院に行って、膣内洗浄をしてもらうんだけど、ちょ〜気持ち良いんだよ。洗われてるよ〜って!」と。道端で大声で言うなよ本当に・・・。
他にも「タクシーって当たるとすごい金取れるよ」と危ないこと言っていた。
こっちもぶっちゃけて、ナンパするために鹿児島まできたと告げてみた。「ふ〜ん」といまいち乗っては来なかった。私の車の横浜ナンバーをみて、「横浜の人なんだ」とここだけは乗ってきたけど。
ナンパとかは無理、とはっきり言われてしまったので、結局この女性とはここで別れた。
女性はもうちょっと援助相手を待ってるらしい。「俺は天文館でまたナンパ行ってくるよ。そっちもがんばれよー」と告げると、「おー」と返事が返ってきた。
この女性だけど、私は失敗してしまったけど、腕の良いナンパ師だったら結構簡単に落とせたんじゃないかな?と思った。自分に技術がなくて悔しい。
再び鹿児島のストリートへ行く。鹿児島ナンパ第2部スタート。
天文館周辺を歩き回って声をかけるが反応はやっぱり悪い。東京と同じくらいの確率でしか愛想の良い返事はくれない。10数人話しかけて、ほとんど成果なし。鹿児島は思ったよりずっと手ごわい。
天文館から少し離れて、何もないと言われる鹿児島駅方向に行ってみた。少しメインの繁華街を外れただけで、ずいぶん静かになってくる。女性の反応が急に良くなってきた。結局は断られるのだけど、2人に1人はまともな会話になる。けれど、女性自体が少ないのが問題だった。
20歳くらいの背の高い女の子に話しかけて、電話番号をゲットする。その女の子は近くのバーで働いている人だった。「今度飲みに行くから連絡するよ」と言って番号を教わった。ほとんど意味のない番号ゲットだった。
天文館から市電に沿って鹿児島中央駅に向かう大きな道路、ここでナンパをしてみた。ちょっと天文館のアーケードから離れた場所の方が愛想の良い女性に当たりやすかった。
第2部スタートから23回目の声かけですごく愛想の良い女性に当たった。20歳くらいでスタイルも細くて魅力的。顔も普通の女の子。名前はAKちゃんと言った。
AKちゃんは近くのホテルで働いているらしい。GWは稼ぎ時らしくて朝から晩まで仕事らしい。明日も仕事だと元気なさそうに言っていた。
天文館付近から、鹿児島中央駅の近くまで一緒に歩いた。旅の話とか、音楽の話とか、色々話をした。
大人しいけど、反応が良い子で会話のキャッチボールが良く繋がる相手だった。会話をしてるだけで癒される女の子だった。
AKちゃんは鹿児島中央駅の近くのコンビニでお姉さんが車で迎えに来るらしい。コンビニについて、連絡先を交換してすみやかに別れた。再会できる可能性は高そうに感じた。
この日は体力の配分を間違った。昼に歩き回って体力を消耗してしまい、肝心の夜になって疲れがドッと出てきた。
2人の女性AちゃんとAKちゃん(2人ともイニシャルが同じなのでこう表記)のアドレスが入手できたので、ここで切り上げる。
ネットカフェ自遊空間の鹿児島中央店に泊まる。中央店という割には鹿児島中央駅からすごく離れている。中心繁華街の天文館からもかなり離れている。なんで中央店なのか謎の店だった。この店にはシャワーがあるので助かった。
昼頃ネットカフェを出て、3日前に友人に教えてもらったマックスバリューに向かう。ここの立体駐車場に車を停めて、横になって体を休める。夜のナンパまで体力を温存するのが目的だった。
ただ転がっているだけでは時間がもったいないので、ナンパ教材を聞きながら、師匠のトークを覚えるように車内でブツブツ独り言を言いながら過ごした。
前日の昼に一緒にお茶を飲み連絡先をきいたAちゃんと18時頃に会おうという話になった。
夕方、鹿児島の繁華街に向かう。すると、とんでもない光景を見る。桜島から真っ黒い噴煙が塊になって上がっていた。煙の塊はやがて広がっていき、黒い雲のようにって山全体を覆い始めた。すごく不気味だった。前日の朝、車についていた粉の正体は火山灰だったと気付く。
1人車の窓から身を乗り出して山を見つめる私。鹿児島の人たちには日常茶飯事なのか、誰も気にしていない様子だった。こういう光景を初めて生で見た私にはほとんど噴火と同じに見えるんだけど。
黒い霧のような雲のようなものが、桜島の周辺にじわじわと広がっていく光景はインパクトがあった。
1900年代初頭、アメリカの田舎町に黒い雲が落ち、一組の夫婦が行方不明になりました。妻の名はマリア、夫の名はジョージ・・・とファミコンのRPGの「マザー」のオープニングが頭に浮かんだ(うろ覚えだけど)。
前日とは違う60分100円のパーキングに車を停め、Aちゃんとの待ち合わせ場所の天文館に向かった。
桜島の火山灰は街中にも舞い散っていて、服にも顔にもついて粉っぽくなるし、目も喉も痛い。耳や鼻にも入ってきて不快だった。
繁華街に向かう途中、若い女の子が通ったので声をかける。この後市電に乗って家に帰るらしい。市電乗り場まで一緒に歩いた。歳は19歳で、名前はEちゃん。愛想が良かったけど、連絡先をきいたら、「彼氏に悪いし」と断りモードに。粘って、「メールの返事がなかったらすぐに諦めるから」と説得したらアドレスを教えてくれた。
天文館の近くについて、まだ時間があったのでナンパをしようと思った。近くのスーパーに入ってみた。外は火山灰がすごくてあまりナンパする気になれなかった。スーパーの中でたまねぎを手にとってカゴに入れた女性がいた。20代中盤くらいの女性。
「良いたまねぎですね」と声かけ。「これは美味しいですよ、僕の実家は八百屋なんですよ。すごく良いたまねぎですよ」と口からデマカセで続けてみた。女性はウケた。旅行で来た事や、今日の桜島の火山灰の事を話した。軽く雑談をしたけど、この後は帰って食事を作らないといけないらしく、連絡先も教えてくれなかった。
一度女性から距離を取って、連絡先を書いた紙を用意し、再び声をかけた。「あの、これを受け取ってもらえませんか?」と紙を渡そうとする。女性は「いいえ」と拒否。かなりびっくりしている様子だった。当たり前か。スーパーの中なんだし。
Aちゃんと再会した。メールでは酒が好きといっていたので、軽く飲もうという話になったのだけど、1日経って急に警戒されてしまったのか、近くの創作料理(?)の店に行って普通に食事をしただけだった・・・。
全然エッチな展開に持っていく事が出来ず、食事の後はもうAちゃんは帰るようなそぶりを見せていた。なんとか説得してカラオケ屋に連れ込もうとした。Aちゃんは渋々OKしてくれたけど、カラオケ屋は遠かった。
歩いている間にAちゃんから「ドルフィンポートっていう眺めが良い所があるけど行ってみます?」と提案がなされた。
ドルフィンポートに向かった。途中で手を握ろうとしたら、「地元の人に見られるから」と拒否されたが、あまり嫌がってはいない様子だった。
ドルフィンポートに着いた。ここから対岸にそびえるのが桜島だけに、火山灰が特にヤバかった。ここは人気がなかったのでAちゃんの手を握ってみた。「ここも地元だし」と言うAちゃんだけど、拒否はされず繋いだままだった。
海まで行き、肩を抱き寄せたり、抱きしめたりしてみた。ここまでは抵抗はなかったけど、キスは拒否される。
時間を置いて何度かキスを求めてみたけど、結局できず終いだった。
これ以上は時間の無駄かと思い、Aちゃんとはこのドルフィンポートで別れる事にした。
別れ間際にAちゃんから握手を求められた。「また旅の情報教えてくださいね」と言われてしまった。旅好き同士、気の合いそうな人だった。別れるのは惜しいけど、ぬるい女友達を求めて鹿児島まで来たわけではない。目的はゲットのみ。Aちゃんと握手を交わして、ドルフィンポートを後にした。
一度自分の車に戻ろうとした。今は60分100円と安い駐車場に入れているけど、この時間なら夜間はタダのパーキングメーターに移した方がお金がかからない。
車に戻る途中、ドルフィンポートの近くの弁当屋からカップルが出てきた。その後にカップルと同じ歳くらいのスーツ姿の女性が出てきた。スーツ姿の女性に声をかけて、冷たい反応をもらう。前を歩いていたカップルが振り返ってじーっとこっちを見る。
やばい、ツレだったのか?と焦る私。スーツ姿の女性に、「お友達ですか?あの方たち」と尋ねると「いいえ」と答えたがすごく気まずい。会話は全く弾まなかったのですぐに距離を取った。
車をパーキングメーターに移して、近くのコンビニへ行く。マンガの単行本コーナーで、女の子が並んでいる単行本をじっと見ていた。視線の先にはゴルゴ13があった。20歳くらいの人だったから違うだろうと思いつつ、「ゴルゴ13好きなんですか?」と声をかけた。女の子は全然別の単行本を見ていたけど、この声かけをきっかけに雑談に入れた。
雑談といっても、こっちが旅行者で鹿児島のことが全然わからないから友達になって欲しい、とかありきたりなナンパトークしかしていなかった。GWはどこに遊びに行ったのかをきいたら、ずっと家で過ごしていたらしい。「僕と遊びに行きませんか?」と誘ったけど、「彼氏いるから」と断られる。連絡先もきけなかった。
一度女の子から距離を取って、再接近して連絡先を書いた紙を渡そうとする。「これを受け取ってもらえないかな?」と紙を差し出すと、女の子は受け取ってくれた。今回の旅で初めて連絡先を書いた紙を1枚渡せた。
しかし、これで女性からメールをもらえる可能性はかなり低いだろうし、それ以前に受け取ってくれる女性が少なすぎて、ほとんど実用的な作戦ではないと感じた。
天文館に移動して声をかける。やっぱり反応が悪い。ちょっと鹿児島中央駅方向に場所を移して、コンビニに入った。
若くて可愛い女の子がいたので、女の子の目の前にある食べ物(プリンみたいな物)をネタに話しかけた。女の子はスッと去っていって、雑誌コーナーに行き、もう1人の若い女の子になにやら耳打ち。2人でこっちをチラッと見る。
バカにされたように感じてちょっとムカついた。その2人の近くに、また若い女の子が1人で雑誌を見ていた。私はその雑誌を読んでいた女の子に近づいて、ちょっと大きな声で「こんばんは何を読んでいるんですか?」と声をかけた。あえてすぐ近くにいる2人組に聞こえるように言ってみた。
雑誌を見ていた女の子は動揺気味。雑誌の内容について尋ねると、ポツリポツリと質問に答えてくれた。「この後は忙しいですか?」と尋ねると「友達と一緒に来てるんです」と答えた。話も弾まなかったのでこっちから距離を取って別れた。
別れながら、さっきのバカにしたような態度を取った2人組みを見ると、目を伏せている。あれ?意外な反応だった。てっきりニヤニヤ笑ってるかと思ったら、なにか怖がってる(?)ような反応だった。
また天文館のメインストリートに移動する。ここでキャッチが声をかけている様子を見た。2人組みのキャッチは、片方がひょろっとしたチャラ男タイプ、もう1人はプロレスラーみたいな体格のごついタイプ。
チャラ男タイプが、ダラダラしたヤンキー歩きで女の子に声かけ。無視されてるのにずっと付きまとって話し続けていた。そして、ごついタイプがその後ろを腕組みしながら歩いてついて行く。
あれで本当にキャッチが成立するんだろうか。あのごつい男はなんなのだろう。いざとなったら拉致でもする気か?それともあのチャラ男はケンカが超弱くて、女の子と戦うと負けちゃうから、ボディガードなんだろうか。
ナンパが下手な私には人の事は言えないが、鹿児島のキャッチはあまり上手くはなさそうだった。
天文館でナンパすると女性の反応が悪く、天文館から離れると急に良くなる理由はこのキャッチのせいじゃないかと思った。
それとさっきのコンビニでの女の子の反応も、バカにされたと思ったのは勘違いで、もしかしたら「うわーコンビニの中までキャッチみたいなのがいるよ」と怖がっていたのかもしれない。
天文館からドルフィンポートの方に移動して20代後半くらいの女性に声かけ。「今から仕事です」と断られる。すでに夜遅かったので、てっきり水商売だと決め付けて話したら、「ホテルのフロントです!」と怒られた。失礼な事を言ってしまった。
天文館に戻って、また鹿児島中央駅方向に少し進んで、声かけを続けた。20代前半くらいの2人組みの女の子に声かけをする。2人とも金髪に近い茶髪。でもお洒落な感じで、威圧的な雰囲気は全然ない。
話しかけると、笑い出す2人。「2人ともめっちゃ可愛い!」とそのまま好意を伝えた。その後雑談になり、神奈川県から旅行できたことを伝えると、1人が標準語で「いらっしゃいませー」、もう1人が方言で、「お○た○んせー」と言ってくれた。
「おりゃたまんせ?」、良く聞き取れなかったけど精一杯マネしてみた。女の子2人は超大爆笑。「おじゃったもんせ」だったそうだった。
しかしこの2人組とはたった1〜2分くらいで別れてしまった。情けないけどこっちが引き気味になってしまった。可愛い、若い、愛想が最高に良いと、あまりに楽しい人たちだったので、つい友好的な空気が壊れるのを恐れてしまった。
横断歩道の信号が変わりそうになった時、女の子たちは「ばいば〜い」とこっちに手を振った。追おうと思えば追えたけど、ここで諦めてしまう。女の子をゲットすることよりも、旅の思い出を優先してしまった。
あまりに自分がバカ過ぎて情けなくなってくる。
気を取り直して再びナンパを続けた。日付も変わりかなり疲れてきた。まとわりつく火山灰がうっとうしい。
スローペースで声をかける。疲れがたたってか反応が悪い女性が続く。
やっと会話が続く女性にあたった。彼氏がいるというので、彼氏がいる女性に対してよく飛ばす冗談を言おうとした。
「彼氏いっぱいいそうだよね」・・・あれ?間違えた!
女性は「そんな女じゃありませんから」と、恐ろしくクールな声で言って去っていった。
「彼氏30人くらいいそうだよね」が普段飛ばしていた冗談だった。疲れていて表現を間違える。
落ち込みながら歩く私。吹き付ける火山灰が疲れを倍増させてくれる。
髪が肩くらいまであるホモっぽいアニキが近づいてきて話しかけてきた。「すごいね」と。
多分火山灰の事を言ってるんだと思い、「そうですね」と返しておいた。アニキはバシッと私の背中を叩いて去っていった。気合いを入れてくれたんだろうか。
天文館から鹿児島中央駅方向にちょっと進んだところ、ここで女の子に声をかけた。今日25回目の声かけ。
女の子のルックスは、歳は10代か20代前半か。幼い顔立ちだけど、肌があまり綺麗ではない。年齢が良くわからない女の子。
話しかけると、「はい〜?」とすごくおっとりした返事を返してくれた。天然っぽい子だった。名前はMちゃんと言い24歳だった。顔は普通だけど、髪型があまり良くない。着てる服はやたらダボダボしていてサイズが合ってない感じがした。正直言って田舎っぽい雰囲気が漂っていた。
Mちゃんは看護師を目指して勉強中だった。学生かと思ったらすでに卒業していて、一度国家試験に落ちてしまい、次回の合格を目指して予備校通いの日々らしい。今は鹿児島市に住んでいるけど、出身は奄美大島らしい。
しかしこのMちゃん、とにかくおっとりしてる。手を引っぱればどこにでもついて来そうな雰囲気の子だった。もしかして行けるかも!テンションが高まる。
実は火川勇気は看護師よりも遥かに格下の医療関係の資格を一つ持っていたりする。解剖学など看護師と共通する科目もやっていた。そこで、ひとつ骨の名前の覚え方を披露した。
ヒジと手首の間にはトウ骨とシャッ骨という2本の骨が並行してあり、ヒザと足首の間にもケイ骨とヒ骨という2本が並行してある、このうち親指側にある骨の名前の覚え方、
「親にもらった時計と憶えるんだよ。親指側にあるのがトウ骨、ケイ骨だからだよ」と。
Mちゃんはやたらと感心してしまい、話を良く聞いてくれた。他にも医療関係の話が続いた。
その後に誘ってみた。
「休憩を取った方が効率良く仕事や勉強が出来るらしいよ。だから企業なんかでも休憩をしっかりとって効率よく仕事をするんだって。Mちゃんも効率よく勉強するためには息抜きも必要だと思うよ」と言ってみた。
実はこれはなにかのマンガの受け売りだった(こち亀だったかも)。
Mちゃんはあっさり納得してお茶を飲む事になった。Mちゃんを連れて天文館のメインのアーケードがある方へ向かう。「食べ物屋とか閉まっちゃってるしカラオケ屋にしようよ。」とカラオケ屋に誘い込むことに成功した。
部屋に入る。明かりは薄暗かったのでその状態をキープした。ドリンクとMちゃんが注文したパフェが届く。外で立ち話の時には話題は出なかったけど、Mちゃんは音楽好きだった。Mちゃん自身は歌わなかったけど、私が数年前に流行った歌を歌ったら喜んでくれた。
理由をつけてタッチを開始する。手、問題なし。肩、問題なし。髪、大丈夫。もう全く問題なかった。室内にはカメラはなさそうだったので、さらにタッチはエスカレートする。
はっきり言うと、最初に感じた通り、この女の子は手を引っ張ればどこにでも着いてくるタイプだった。タッチは全然OK。キスを求めると、問題なくディープキスをさせてくれた。
身体の1部分だけは、最初は触られるのを拒否したけど、次第にガードは甘くなった。
「部屋の外から見られてそう」と言い出すMちゃん。脱いだ上着を身体にかけて、見えないようにガードした。Mちゃんはすぐに身体中のすべてを触ることを許してくれた。
「気持ち良い?」と尋ねると、うなずくMちゃん。
「口でお願い」と伝えてみた。Mちゃんは問題なくしてくれた。
カラオケ屋を出て私の車に向かった。ラブホテルを探して、周囲を走りまわる。準備不足でホテルの場所は全然わからなかったが、国道3号線と10号線が切り替わるポイントの辺りで、ラブホテルを発見する。
ホテルが近づくとMちゃんは、小さな震えるような声で「帰りたい」と言い出す。
私は自分の手をMちゃんの手のひらの上に置き、「もしも本当に嫌だったらこの手をギュって握って。そうすればそれ以上は進まないから」と伝えてみた。
車はホテルの駐車場に差し掛かった。Mちゃんが握る手には力は入っていなかった。すぐに「ありがとう」と伝えてみた。拒否される前に礼を言って、今さら拒否しづらくしてみた(ちょっと卑怯かも)。
車を降りる。Mちゃんもついてくる。部屋に入り、当然そのままゲットとなった。
ベッドでMちゃんの服を脱がせて驚いた事があった。ダボダボの服でわからなかったけど、Mちゃんはウエストがすごく細かった。ついこの前、ウエスト56センチの女性にお腹を触らせてもらった事があったけど、Mちゃんも同じくらいの細さだった。
胸は普通のサイズだけど、ウエストが細いだけに胸まで大きく見える。これほどスタイルが良いのに、それを隠してしまう服装をしてしまうのだから、自分の価値に気付いていないのかも。
このMちゃんと言い、変なメガネをかけていたAちゃんと言い、鹿児島の女性は自分を良く見せる気があまりないのだろうか。
事後、私がシャワーから出ると、室内のテレビから音楽が流れていた。「君よずっと幸せに、風にそっと歌うよ」、福山雅治の桜坂だった。
この曲は、福山雅治が上京した時に住んでいた東京都大田区にある桜坂をモデルにしたという説がある。そこは神奈川県の私の家からも遠くなく、たまにバイクで1人でフラッと行ったりもしていた。
その事をMちゃんに伝えると、「モデルは九州にあるって聞いてます」とはっきり言われてしまった。
桜坂のモデルは福山雅治の地元である九州にあるという説もあった。九州の人にとってそれは譲れないポイントのようだった。
なんでもかんでもイエスと言いそうなMちゃんが、唯一はっきり見せたノーの意思表示だった。音楽好きみたいだし、特にこだわりがあったみたい。
Mちゃんの家の近くまで送っていって、メールアドレスを交換して別れた。
「次は東京か横浜でデートしようよ」とメールしたら、「ぁりがとうございます(笑っている絵文字)」というメールが返ってきた。
正直言ってこのMちゃんは、納得してくれてホテルまで来てくれたのか、嫌だと言い出せないままセックスをする羽目になってしまったのか、話しをしていても判断がつかない人だった。メールの返事をくれた時すごくホッとした。
目的を達成したので、すぐに鹿児島を離れて北上した。この後2日間で神奈川県まで帰る予定だったので、少しでも距離を稼いでおきたかった。
自遊空間の姶良加治木店に泊まる。
噴煙を上げる桜島と、たった数時間で火山灰にまみれて無残な姿になった火川の愛車・フィットアリア(29万8千円)