4度目のナンパ旅行

2011年ゴールデンウィーク。当ホームページ開設後には初めてとなる4度目のナンパ旅行に出かけました。

目的地は陸路で行ける最南端、鹿児島県がターゲット。ここには友人が1人住んでいるので彼に会うのも一つの目的でした。

鹿児島以外でも出会い系サイトを使って九州の全県の女性に呼びかけて、最低でも九州で1人の女性をゲットしたいと気合いを入れて挑みました。

作戦が甘かった事や、ちょっと気合いが空回りした事があり、一番きつい旅でもありました。

肝心のナンパの話は失敗談のオンパレード。最後にまぐれ当たり的に出会った女性に救われました。

 

 

                                        出発前

まず出発の2週間ほど前から出会い系サイトを使って九州の全県で会える女性を募集してみた。使用したサイトはおなじみのワクワクメールとハッピーメール。

「東京から行きます」というタイトルを使って掲示板を更新し続けていたら、1日に1通くらいの割合で女性からのメールが届くようになる。最初の1人目は「短時間で割が良ければ会うよ」と、援助交際の募集などと一言も言っていないのに、なんともナメたメールを送ってきたけど、その後はやたらと反応が良くて4人の女性から直メールをゲットできた。

長崎県のぽっちゃりしたスタイルの20代女性と、宮崎県の30代で普通のスタイルの女性と集中的にメールをすることになる。この2人はメールで下ネタも振っても乗ってきたので、すぐにゲットできそうな雰囲気を感じた。

宮崎県では「彼氏と3Pをしてくれませんか?」と言う怪しげな女性の直アドレスを入手したけど、すぐに返事がなくなってしまった。

他には大分県のピュア掲示板で、ウェイトレスをやっている女性の直アドレスを入手したけど、「ウェイトレスの制服可愛い?」と尋ねただけで音信不通になってしまった。

 

旅立つ数日前にはHPを見ていた人からメールをいただけた。HP開設後はじめてもらったお便りだった。旅とナンパを愛する同志で、旅ナン日記というブログを書かれているリッキーさんからのメールだった。

リッキーさんもGWには九州にナンパに行くそうで、予定が合えば福岡辺りで合流しようという話になった。

 

やはり旅立つ数日前、川崎市川崎区にある金山神社に行き、九州の女性をゲットできますようにと大真面目に祈ってきた。この神社に来るのはナンパ旅行に出る前には毎回恒例になっていた。

 

 

                                        1日目

連休が始まる前日、4月28日の夜についに4度目のナンパ旅行に出発した。

仕事を終えた後の出発だったので、身支度を整えて車に荷物を積み込み、家を出たのは22時を過ぎていた。

この日は気温がかなり高くて、荷物の積み込みをしている間にも汗ばむくらいだった。布団を積むときに、この暑さだからと思い、かける物は毛布一枚だけしか積み込まなかった。厚いかけ布団を持って行く気になれなかった。

 

家を出発し、東名高速の入り口に向かって車を走らせる。今までにない緊張感を感じた。それはHP開設当初から今回のナンパ旅行をメインイベントとして扱っていたこともあるけど、もう一つの理由は、始めてHPを見ている方からメールをもらえたことだった。

私のHPにはアクセスカウンターをつけていないだけに、今まで5ヶ月の間、人が見ているのかどうかもわからないまま更新し続けていた。

ある意味気楽だった。だけどメールをいただけた事で、人が見ていた事が発覚した。1人からメールをもらえたという事は、その何十倍、何百倍の人たちがこのHPを見てるかもしれない。それを考えると、絶対に失敗は許されないという強烈なプレッシャーを感じてしまった。

 

高速道路の入り口・横浜青葉インターまであと数キロという所、買い物のためにコンビニによった。食料を買い込み店を出ようとしたら、かなりの美人熟女とすれ違った。40歳手前くらいのその美人は雑誌コーナーで足を止める。近づいて「こんばんは」と声をかけた。

女性は驚いた表情を浮かべて何も答えず。続いて目の前にある雑誌を話題にしようとしたら、「外で主人が待ってますから」と言われてしまった。

私はコンビニを出た。すると、そこにはごついベンツ・・・の中で可愛い小型犬・・・を抱えたゴツイおっさんがいた。他にも車があったからこの人が旦那かはわからないけど、かなり怖そうな人だった。私はすぐに自分の車に乗り込みコンビニを去った。

 

横浜青葉インターが見えてきた。「さあ東名高速を一気に行けるだけ行こう」と気合を入れていると、大問題が発生。道路情報を伝える電光掲示板に「事故渋滞17キロ」と出ていた。

連休の前日だけに、多少の渋滞は覚悟をしていたけど、事故渋滞は予想外だった。仕方ないので一般道の国道246号線をひたすら進むことにした。本当は高速で一気に200キロか300キロくらいの距離は進む予定だったけど、一般道では100キロ程度しか進めないのは明白だった。予定変更を余儀なくされた。

 

国道246号線は道が空いたり混んだりの差が激しく、いまいち走りづらかった。神奈川県厚木市を過ぎてしばらく進んだ辺りでコンビニに立ちよった。私が車を降りると、ちょうど若い女の子が店内に入っていくのが見えた。痩せ型のスタイルで歳は20歳くらいのその女の子は、ちょっと服装がいい加減。寝間着かというような格好をしていた。

買い物の後、ちょうど店を出るタイミングがかぶったので、店を出てすぐのところで話しかけてみた。女の子はイヤホンをしていたけどそれを外してくれた。なんの曲を聞いていたのかをきくと、「遊助ですよ」と笑顔で答えてくれた。音楽の話をした後に、この後の予定を尋ねてみた。なんでも、友達の家に遊びに来ていて、酒の買出しに来たらしい。「女子会してるんですよ」と嬉しそうに言っていた。

「僕も女子会に混ぜてください」と言ってみたらウケたけど、当然断られてしまい、連絡先をきいても「彼氏に悪いから」と断られてしまった。

 

コンビニを出発し、国道246号線をひたすら進む。しばらくしてお隣の静岡県に入った。

ふと、さっきの神奈川県でのナンパを思い出す。ごつい旦那(?)がいた美人熟女、女子会を楽しんでいた女の子、彼女たちは今は何をしているのだろうか?。もう何十キロも後方にいる彼女たちのことを考えて、ロードムービーっぽい映画でも見ているような気分になった。

 

国道246号線から国道1号線に合流。静岡県沼津市の少し先にある「道の駅富士」に車を停めた。後部座席の布団に潜り込む。少し寒さを感じながら眠りに落ちた。

 

 

                                        2日目

まだ夜が明ける前、急に身震いと、鼻の辺りの冷たさで目が覚めた。車の中はキンキンに冷えていた。完全に私の判断ミスだった。神奈川が暖かかったからと油断して、かける物は毛布一枚しか持って来なかった。

シャツや上着、着れる物を何枚も重ね着して再び毛布に包まった。ネコのように丸まって少しでも熱を逃がさないようにして、再び眠った。

 

8時過ぎ、太陽の陽射しを浴びて目が覚める。ちょっと体がだるいけど、なんとか風邪はひかないで済んだようだった。太陽が暖かい、暖かい、暖かい・・・うとうとしながら、夢見心地。そして再び嫌な不快感で飛び起きた。暑い!

カンカン照りの陽射しは、冷えていた車内を猛烈な勢いでサウナ状態へと変貌させた。今まで経験したことのない急激な温度変化。さっきまで保温のために体に巻きつけていた毛布は、いつのまにか冷えた体を保冷する効果に変わっていた。

強烈な陽射しと富士山の冷気のコラボレーションによるマジックだった。もう二度と味わいたくない。

 

道の駅富士を出発した。国道1号線をひたすら西に向かう。すでに東名高速は大渋滞。国道1号もかなり混んできた。もうGWの初日なんで当たり前だけど。

渋滞をさけたくて、連休前日の夜に数百キロの距離を移動し、首都圏から出来るだけ離れる予定だったのに。あの事故渋滞17キロのせいで、予定が狂ってしまった。

陽射しが強く、スピードが乗らず、窓を開けても暑くてしょうがなかった。たまにエアコンをつけたけど、エアコンの冷たい空気は朝の富士の冷気を思い出してしまい、これはこれで不快だった。まるで体が拒否反応をしているような感じだった。

渋滞、暑さ、寒さに悩まされながら進み、日が沈みかけた頃に愛知県名古屋市が近づいてくる。距離計を見ると、朝出発してから200キロ程度の距離しか進んでいなかった。時間は10時間もかかったので、平均時速はたったの20キロ。自転車の旅では平均時速15キロくらいなので、本当に自転車に毛が生えた程度のペースだった。

途中、静岡県静岡市でダイソーに立ちより、店内で1人声をかけたが、事務的な返事しか返ってこなかったのですぐに引き下がっている。ナンパの調子もあまり良くないし、体調もなんだか良くなかった。

 

愛知県名古屋市のちょっと手前で、コンビニに車を停めて休憩した。ドッと疲れが出てきてしばらく動けなかった。一時間以上休み、コーヒーを胃に流し込んで再び出発した。なんとかこの日の間に大阪まで行かないといけなかった。

大阪までのルートは3つ浮かんだが、高速で一気に行くルートは高速で渋滞にはまることを考えると怖くなってしまい、国道1号をひたすら進むルートは名古屋市の中心や京都府京都市が混みそうなので止める。朝から渋滞にはまり続けて渋滞恐怖症になっていた。

残った第3の道は、渋滞は少なそうだけど、距離は一番長いルート。伊勢湾沿いに南下し、三重県四日市市を通り、津市へ。そこから内陸に入って大阪を目指すという道のりだった。

進みだしてすぐに、津市まで80キロ以上の距離を表す案内板をみてちょっと後悔する。距離長すぎ。

 

なんとか疲れと眠気にも耐えて津市に到着する。どこで道を曲がれば良いのかわからず、大阪方向の道路に入る場所を通り過ぎてしまった。無駄に時間をロスして大阪に向かう道をやっと発見する。

さらに数十キロを進んで忍者の里として有名な三重県上野市に到着、と思ったら市名が伊賀市に変わっていた。数年前に訪れたときは上野市だったのに。

伊賀市でコンビニに車を停めて休憩する。もうすでに深夜だった。疲れはピークを通り越していて、目はしょぼしょぼ。眠気覚ましも効きにくくなっていた。

目をつぶって少しでも体を休めようとしていたら、突然ボコンという大きな音が聞こえた。となりに停まっていたミニバンを、いかついヤンキー女が殴った(蹴った?)ようだった。ミニバンからはヤンキー男が笑顔で出てきた。ヤンキー同士の挨拶だったのだろうか。不気味だった。ヤンキーと関わりたくなかったのですぐにコンビニを離れた。

今まで考えていなかったけど、伊賀市からは奈良県奈良市を経由して大阪市までを結ぶ高速道路があった。高速に乗って大阪を目指した。眠気との戦いは辛く、大型トラックに追い越される度に恐怖を感じた。

 

大阪市内に着く。吹田ジャンクションから中国自動車道に入ればあとは九州までほとんど一直線だった。中国道に入って最初のパーキングエリアで車を停めて車中泊をする予定だった。吹田ジャンクションが近づいてくる。ここで問題が発生した。

「中国道・事故渋滞8キロ」、そう表示された電光掲示板を発見してしまった。すでに深夜3時過ぎ、「なんでこんな時に事故渋滞が」と、怒りすら感じながら中国道に入った。

中国道で問題の渋滞の場所にさしかかった。それまで100キロの速度で進んでいたのが、60キロくらいまで落ちた。そのまましばらく進むとまた100キロに戻る。いつのまにか渋滞の場所は過ぎていた。

「えっこれが渋滞?」と、あっさり渋滞のポイントを通過してしまい拍子抜けだった。普通よりもちょっとペースが落ちるだけで渋滞扱いになるとは知らなかった。もしかして、初日の神奈川県の事故渋滞17キロも、案外大した渋滞ではなかったのかもしれない。

 

中国道に入って最初のパーキングエリアに着いた。朝出発してから18時間以上が経過し、やっと休める場所に着いて心底ほっとする。

深夜だというのにパーキングエリアはかなり混みあっていて行列が出来ていた。中にはトラック用のスペースに普通車を停めたり、駐車スペースじゃない場所に停めたりしてる人たちもいた。

私は真面目に列に並んで普通車を停めれるスペースを探した。列は途中から二つに別れ、私は進むのが早い列に入った。その列はエリアの奥に進み、エリア内をぐるっと一周して・・・出口に向かっていた。

 

「えええーっ?」車内で叫ぶ私。いまさら止まる事は出来ず、パーキングエリアを出てしまった。ここは高速道路、もう戻る事は出来なかった。

真面目ぶったばかりにとんでもない目にあった。やっと休めると思ったのに。自分への怒りですっかり目が覚めた。車内で半狂乱になって叫びながら アクセル全開で140キロ近いスピードで次のパーキングエリアを目指した。 多分人生で一番事故りやすい時間だったと思う。

数十分後、次のパーキングエリアを見つけた。「今度は人の邪魔になる場所でも良いから停めて眠ってやる。文句言ってくるやつがいたら殴ってやる。 眠る為なら 警察沙汰は覚悟の上。」と、腹をくくる私(くくるな馬鹿)。

幸い停める場所はあっさり見つかり事なきを得た。時間はもう4時を過ぎていた。富士の道の道を出発してから19時間が経っていた。後部座席に移り、力尽きた。

しかし、翌日8時には太陽光で暖められて強制的に目をさまされるのは確実。「たった4時間しか寝れないのか」と眠る前から気が重かった。

 

 

                                        3日目

7時前に目が覚める。3時間弱しか眠れなかった。まだ太陽光は入ってはいなくて、車内は意外と適温に保たれていた。それなのにまだ時間があるにもかかわらず、目が覚めて眠れない。前日が疲れ過ぎて、体のリズムがおかしくなってしまったのかもしれない。

仕方ないので出発する。3時間も寝てないのに意外と頭はすっきりしていた。火事場の馬鹿力みたいなものだろうか。

中国道を順調に進む。やたらと流れが速く、平均時速は110キロにもなった。九州が一気に近づいてきた。

 

順調に流れてるのは良いんだけど、車で高速道路を走るのは旅情気分がなく、退屈に感じてしまった。

自転車やバイクの旅行は「旅をしてる実感」が強くあったし、車でも下道ならまだ旅の実感を感じた。しかし「車で高速」になってしまうと旅の実感はほとんどゼロになってしまう。本当にただ移動しているだけという感覚だった。

 

山口県防府の辺りでパーキングエリアに入り一休憩。旅ナン日記のリッキーさんや、出会い系サイトの女性とメールをした。

リッキーさんは鹿児島から九州ナンパを始め、この後は福岡に滞在するらしい。予定を合わせて合流できるかはかなり微妙だった。

宮崎県の普通のスタイルの30代女性からは、向こうからメールをくれていた。「今はどの辺りを走ってますか?」とかなり気にかけてくれてる様子だった。

長崎県のぽっちゃり20代女性は、メールすると「今日は空いてるよ」という嬉しい返事があった。

 

高速を飛ばして九州に上陸。福岡を過ぎて鳥栖ジャンクションから長崎を目指した。

雨が降るなか長崎に到着。さっそく女性にメールをした。待ち合わせ場所について尋ねて、今日会いたいという意思を伝えた。

その女性はぽっちゃりしてるとはいえ、写メールではそこまで太ってるようには見えなかったし、下ネタ話もたくさんした相手なのですぐにゲット出来る可能性が高い。今回の旅で1県ゲット出来ると思うと嬉しくてテンションが上がっていた。

やたらと焦らされてメールの返事がきた。その内容は、「明日が良いかな?」、という物だった。

なんだこれ!今日会いたいっていう意思を伝えたのに、この返事は日本語的におかしい。明日が都合良いならそう言えば良いのに。長崎の人の独特な言い回しなんだろうか。

 

気を取り直して泊まる場所を探す。良く考えれば相当疲れが溜まっていたから、体を休ませる為にもちょうど良いかもと思った。

昨日は19時間も運転し3時間も眠れず、今日も運転し通しで大阪から800キロも走って長崎まで来ていた。ちゃんと休ませないとあとで反動が来る気がした。

国道499号線沿いにあるちょっと古めの旅館に泊まる事にした。古めだから安いかと思いきや、4800円と意外と高かった。酒を飲んで早めに横になった。旅に出て初めて落ち着ける時間だった。

 

 

                                        4日目

久しぶりにゆっくり眠れてリフレッシュできた。すっきりした気分で目が覚める。

 

旅館の人に100円ショップの場所を尋ねると、近くにあるキャンドゥの場所を教えてくれた。ちょうどチェックアウトの時間だったけど、車はそのまま敷地内に置いてても良いと言ってもらえたので、歩いてキャンドゥに向った。

キャンドゥではアルミシートを探した。車中泊の時の寒さを凌ぐために使おうと思っていた。

近くにいた女性店員に尋ねてみると、あまり愛想が良くない。近場を探し、「置いていませんね」とあっさり。

諦めて他の商品を見て回ってたらアルミシートを発見。あるじゃん!あの店員、感じが悪い上に商品知識もないとは問題だと思った。

アルミシートを持ってレジに行く。なんとなく、さっきの愛想の悪い女性店員にアルミシートを持っている所を見られると気まずい気がして、レジまで遠回りする。無駄に人の事を気にする自分。

レジの店員の女の子と対面して驚いた。すごく愛想が良いし、肌が白くて顔も可愛い。周囲には他に客も店員もいなかったので、ナンパというわけではないけど、可愛いさを素直に誉めてみた。

「肌まっ白ですね。モデルさんかと思いましたよ。」と言ってみると、店員の女の子は満面の笑顔を浮かべてレジを打ちつつ、「そんな事ないですよ」と謙遜。

「長崎は店員さんみたいに可愛い女の子が多いですよね」と言ってみたら、「県外の方ですか?」ときかれた。

その「県外」の発音がメチャ可愛いくてドキッと来た。

け(→)ん(↑)が(↑)い(→)という発音が最高に可愛かった。「んが」だけが上がる独特な訛り。女の子は訛ると可愛いさがアップする。今まで東北や北海道ではあまり感じなかったけど、ここ長崎で初めて実感した。

神奈川県からきた事を伝えると、店員さんは「神奈川良いところですよね、横浜とか川崎とか」と言っていた。

意外だった。横浜とかの後は絶対に、湘南とかと続くと思ったのに。地元の川崎の知名度も最近上がってきたのだろうか。

 

キャンドゥの可愛い店員さんに連絡先を書いた紙でも渡そうかと思ったけど、メモ帳は車の中だった。諦めて旅館に戻り、車に乗って出発。出会い系サイトのぽっちゃり女性との待ち合わせ場所に向かった。

 

途中でガソリンスタンドに立ち寄る。お金を入れてセルフで給油。入れ終わると、まだタンクのキャップを閉め終わらないうちにおつりが出て、ピー、ピーと「早くつり取れ」の催促音が鳴り響く。長崎のセルフスタンドせっかち過ぎ 。

 

待ち合わせ場所でついに出会い系サイトの女性とご対面。2週間前からメールをしていたその女性のルックスは・・・凄かった。悪い意味で。写メールが実物より痩せて見えるのはよくある事だけど、ちょっとやばい太さだった。

もちろんこの程度で怯む事はなく、車に乗ってもらい、何のひねりもなく「それじゃホテル行こうか」と伝えて、女性もあっさり承諾。市内のホテルでゲットとなった。

 

事前はまだ良かった。太ってても20代だし、「これで長崎県ゲットだ!」と、テンションが高かったし。だけど事後はきつかった。男なら誰でもわかる事後のテンションの低さ。そんな状態の時に目の前にいる激太い女性。そして・・・。

突然ゾワッと寒気が走った。ぼ〜っとしている火川の腕に、女性がチュッとキスをしてきた。

「キスしてくれないね。キスはきらいなの?」、そう尋ねられて、「キスは苦手なんだ。アメリカ人の気が知れないよ」と誤魔化す私。

私はベッドに腰掛けて女性から距離を取った。すると女性も横に座ってきて体を寄せてくる。ソファーに逃げても女性は追いかけてきて、今度は体をこすり付けてくる。鳥肌が立った。

「シャワーに入ってくる」と言って、風呂場に逃げたら、やはり一緒に入りたいと言ってきた。仕方ないので一緒に入る。女性はお湯が溜まっているバスタブに入って火川が入ってくるのを待っている。「湯冷めするから」と誤魔化してシャワーだけ浴びて先に風呂場を出た。

女性はやはり追いかけてきた。私が湿った髪をドライヤーで乾かしていると、横から抱きついてきて、また腕にキス(ゾワッ!)。

この後も、ホテル内ではどこにいてもくっついてきて体をこすり付けられた。正直言ってもう一度シャワーに入りたい気分だった。

これまでこの女性よりもルックスが悪い人をゲットした事もあった(去年の北海道旅行の時)。けれど、事後にしつこく付きまとわれるという事はなかった。今回の女性は本当にきつかった。発情したトドがにじり寄ってくるような感じだった。

 

ホテルの部屋を出る。ホテルの駐車場で、ヤンキー系の男がすごいイイ女を連れてすれ違った。言葉では言い表せない程の惨めさを感じた。

長崎駅の近くまで女性を送り別れた。すごくほっとした反面、申し訳ない気分にもなった。

散々つきまとわれたけど、実は女性は全然悪くはなかった。責任は全部火川勇気にあった。なぜなら、さっさと長崎県をゲットしたいという安易な思いから、太っている女性が苦手なのにもかかわらず、メールで「ポッチャリ系は好きだよ」、と大嘘をついていたからだった。

これでは女性が勘違いするのも無理なかった。本当に申し訳ない。なんだか2重の意味でテンションが下がる。

 

もうひとつ申し訳ない気分になったのは、福岡にいるリッキーさんの事。

今回長崎の女性に会うために時間を使ってしまい、リッキーさんと合流が出来なくなってしまった。せっかくコンビでナンパをしようと誘ってくれたのに、その誘いを断ってまで会いに行った女性が、思い出しただけで鳥肌物(悪い意味で)の女性とは。

 

しばらく長崎駅付近に車を停めてぐったりしていた。こんな時は気分転換にナンパするのが良いと思った。九州に入ってからまだ誰にも声かけをしていなかった。

車の外を見ていると、10代中盤くらいの若い女の子2人組みが通った。顔は普通だけど細くてスタイルが良い。車を降りて「長崎駅ってどっちですか?」と声をかけた。駅の近くで白々しいけど。

女の子たちは親切に教えてくれた。道ききの後は、「2人ともすごく可愛いね」と褒めまくってみた。2人とも照れてる感じがまた可愛い。この後の予定をきくと、友達と合流して駅の近くでお茶飲みながらガールズトークだそうだった。

「僕も混ぜてと」無理なお願いをしてみたら、返ってきた答えは「長崎駅は・・・向こう・・・です」だった。多分答えに困り過ぎて、最初の道ききの答えをもう一度言ってしまったのだろう。これ以上困らせる訳には行かないので、2人と別れた。

しかし、やっぱり若くて細いスタイルの女の子って良い。ただ話しをしているだけで癒される感じがした。

 

車を移動し、駅から少し離れた坂の上のコンビニに停めた。コンビニに入ると、30歳くらいの女性がファンタを手にとって見ていた。

「ファンタ美味しいですよね」と声をかけたら、笑顔で話し相手になってくれた。ファンタの味について話す。女性はオレンジ味が欲しかったけど置いてなかったので替わりの味について悩んでいたらしい。結局グレープ味に落ち着いて、私に軽く頭を下げてレジに向かっていった。明るくて礼儀正しい人だった。

私はこのとき連絡先を書いた紙を持っていたので女性に渡そうと思った。女性が店を出る直前、店内でもういちど声をかけた。「あの、これを受け取ってください」と紙を差し出した。女性は驚いた感じで「いえ、車で母が待ってますから」と、店外へ去っていった。受け取っても返事が来ないというのは考えていたけど、受け取ってすらもらえないのにはちょっと落ち込んだ。

 

車に乗り込んで出発した。とりあえず長崎を離れたかった。坂の上から周辺が良く見える光景に出くわした。すごく壮大な景色。大きな山の斜面に家がびっしり立ち並ぶ景色は、日本中で長崎だけかもしれない。写真を撮りたかったけど、細い道で、車を停めるだけのスペースがなかった。バイクだったら自由に停められるのに。車の不便さを感じた。

長崎の街を少し離れたところで、カツ丼330円と書かれた看板を発見。安かったので寄り道する。どんマックという店だった。380円のカツ丼大盛りを注文。量も多くて味も中々だった。

高速には乗らず、国道34号線をずっと走って福岡県方向に向かった。やっぱり一般道は良い。「これぞ旅」って感じだった。高速は味気が無さ過ぎる。

 

佐賀県に入る。佐賀県立の宇宙科学館への案内表示を見つけた。その時忘れかけていた昔の思い出が蘇った。

実は03年、当時23歳だった火川はバイクで日本一周をし、その時にこの道路を通っていた。その時も宇宙科学館の案内表示を見て、ちょっと興味を惹かれていた。だが行かなかった。「予定に無いから」という理由で行かなかったのだった。人生損する石頭っぷりだった。

「次にこの道を通ったら行ってみよう」、と考えていたのを急に思い出した。

 

国道34号を外れ、脇道に入って宇宙科学館に行ってみた。右折、左折、右折と曲がって宇宙科学館が見えてきた。

途中で歩道を歩いているスラっとした女の子を発見。茶髪でお洒落そうな感じに見えた。数分後、宇宙科学館に到着。しかし案内板には閉館時間が19時と書かれていた。現在の時間は18時30分。今から入るのはちょっと無理だった。

仕方ないので引き返す。すると往きに見かけた茶髪の女の子をまた発見。これは声をかけてみるしかないと思った。

女の子を追い越して車を停めて、国道34号までの道をきいてみた。女の子はすごい身振り手振りを交えて、超親切にあれこれと道を教えてくれる。間近で見ると顔も可愛いし、スタイルも細くて魅力的だった。ただ耳だけは荒れていた。ピアスを5箇所くらい空けて、その後ほったらかしみたいな感じだった。

女の子に色々質問してみた。歳は18歳で、今は仕事帰りだそうだった。宇宙科学館の施設内(?)の旅館みたいな所で働いているらしい。スタイルの細さを褒めてみると、「友達からはデブってあだ名つけられていますよ」と笑っていた。褒められなれていない感じの純情そうな子に見えた。

しばらく立ち話で、こっちが旅行中で神奈川から来た事などを話して雑談した。連絡先を尋ねたけど教えてもらえず、この後はすぐに家に帰るとの事。少し粘って会話を続けてみたけど、引き止める事はできず別れた。

別れ間際に、「ちょっとは自信になりました」と言われる。謙虚な女の子だった。

 

国道34号に戻り、再び福岡県方向に進む。途中でコンビニによって休憩している時に、宮崎県の出会い系サイトの30代女性とメールをした。女性は「明日ならば空いてますよ」と会ってくれそうな感じだった。

今日中に宮崎県か、鹿児島県まで行こうと思っていたので、今日の目的地を宮崎県に決める。国道34号を進み、鳥栖インターから高速に乗った。今年1月に火山の噴火が報じられた霧島山新燃岳の近くを通り、宮崎県都城市の近くのサービスエリアに車を停めて車中泊をした。

山に囲まれた場所なのでかなり冷え込んだけど、長崎のキャンドゥで買ったアルミシートが役に立った。

 

 

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