「ユウキも一緒に行こうよ」

女性は、伝えていたユウキという名前を呼んでくれた。甘く、心に響く、忘れられない声だった。

 

 

ある程度ナンパの経験がある人ならば誰だってあると思う。忘れられない相手、忘れられないナンパ。

火川勇気にもそれはあった。

 

2011年7月、東京新宿での出来事だった。

顔、メイク、スタイル、ファッションとすべてが派手な美女に声をかけた時の事。

とてもではないが自分には一生手が届かない、そんな風に感じたその美女とは、あっさり飲みに行く事になった。

本当にラッキーだったが、問題は飲んだ後だった。

 

六本木のクラブに行きたいと言い出す女性。

私は華やかな場所が苦手で、六本木など行きたくなかった。なんとか新宿に引き止めたかった。

しかし女性の意志は固かった。

 

終電間際の大江戸線の改札。女性は、甘ったるい声で、甘えるような目で、心をくすぐるような笑顔で、「ユウキも一緒に行こうよ」と言った。

人生で一番、女が魅力的に見えた瞬間だった。

 

結局私は行かなかった。それは六本木が怖かったからだと思っていた。クラブなんて自分には縁のない場所が怖いから行かなかったのだと思っていた。そう思い込んでいた。

最近やっと気付いた。

あの時本当に怖かったのは六本木じゃなかった。

最高に魅力的な女にフラれるのが怖かったから、傷つくのが怖かったから、自分から逃げたんだ。

私はあの時の失敗を取り戻したい。

 

 

関東でのナンパ最終章は舞台は新宿です。

目標は美人をゲットする事。並じゃダメ。明らかに普通よりも綺麗だったり、可愛かったりする女に挑みたい。

人種も国籍も問わない。とにかく、心を揺さぶられるルックスの女を1人ゲットできれば、それで良いと思います。

これを達成して関東でのナンパを終了します。

 

 

(2012年10月29日 後日談 舞台は新宿、と言い切ったのに、実際は渋谷で達成しました。

また、自分の心理についても、もう一歩先の考え方に気付きました。

最高に魅力的な女にフラれるのが怖かったのではなく、最高に魅力的な女相手に成功してしまった時に、自分にどういう影響があるのかが予測不可能過ぎて、それが怖かったのかも知れません。)

 

 

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