2011年4月1日
前回3月4日のナンパでは、ズボンのチャックが空いたままだったことに気付き、顔から火が出るほど恥ずかしい思いをしたけど、それで吹っ切れることができていよいよナンパへの抵抗感がなくなりました。しかし、そのぴったり1週間後に大震災が発生し、3月いっぱいを自粛してこの日に至ります。
すっかり勢いは衰え、再び重い足取りでナンパのステージである新宿へ向いました。
新宿2丁目周辺のパーキングメーター(夜間はタダ)に車を停めて、繁華街に向かって歩き出す。しかし頭の中では「福島原発の放射物質が危険だから家に戻った方がいい」とか、「まだ地震の影響が大きい中でナンパなんて不謹慎だ」とか、ナンパをしない言い訳がずらっと並んでいます。
こりゃいかんと思った。先月の勢いなんて全くありませんでした。とにかく勢いを取り戻すことが大事。頭が余計なことを考える前に、すぐに女性に声をかけないと。信号待ちをしている女性を発見したので一気に声をかけた。「こんばんは」・・・女性は無視。「信号待ちが絵になってますね」・・・女性は無視。おもむろに携帯をいじり出して、あからさまにシカトされる。
新宿駅に向かい、すれ違った女性に声をかけた。その女性はシカトしつつ裏道に逃げるように進路を変えた。私がもう一言話しかけたら、「なんなんですか・・・」と静かに怒りを表しながら方向転換。女性は最初とは逆に新宿駅方向に向かいだした。
とてもナンパに応じてくれそうになかったので諦めたが、私は新宿駅に向かうので、同じ方向に歩く女性をつけているような感じになってしまった。諦めた後にストーカー扱いされてはたまらないので、「向こうは新宿駅ですよね?俺は新宿駅に行くから、君は逆方向じゃないの?」と言ってみたら、女性はくるっと方向転換して去っていった。
2人話しかけただけでいきなり疲れた。そしてトドメを食らうことになった。
繁華街が近づき人が多くなってきた頃、20歳くらいの2人組みの女性がいたので話しかけた。無視されて女性同士の会話が続いている。気付かなかったのかと思い、今度は2人の会話に混ざろうとしたら、「うっせええ!」と怒鳴られた。全然普通の外見の女性2人組みだったのに。まさかこんな反応をするとは思わなかった。
「うっせえわよーちょっとあんたあっち行きなさいよ〜」と女言葉でおどけながら言ってダメージを受け流した、つもりだったが、全然受け流せていなかった。なんか頭がフラフラしてきて本当にダメージが大きかった。女性たちからはすぐに距離をとった。
先月の勢いが懐かしくなってきた。もういちどチャックを開けて歩き回ればまたあの勢いが戻るかもと、手をズボンに伸ばす火川勇気。わざと開ける度胸はもちろんなかった。大体わざとズボンのチャックを開けたりしたら、猥褻物陳列罪に問われそうだし。
もう帰ろうかと悩んだけど、ダメージを残して帰ると次回以降にさらに悪影響があるかもしれない。特に今月末からのナンパ旅行に悪い影響を与えるのだけは避けないと。とりあえず愛想の良い女性1人と会えるまでナンパを続けることにした。7人くらいに話しかければ1人はいると思うので。
コンビニに入って雑誌を見てる女性に声をかけた。雑誌に写っている芸能人(?)を話題にして、雑誌を指差して「この人あの番組に出てる人ですよね」と適当なことを言って話しかけてみた。我ながら良くわからない声かけだった。女性は苦笑しつつチラチラこっちを見ている。
雑誌に写っている芸能人(?)の記事には結婚がどうとかと書かれていたので、雑誌を指差して「この人たち結婚するんですかね〜ご結婚しているんですか?」と女性に話題を振った。女性は苦笑してるだけで反応なし。
「これはなんの雑誌ですか?」ときいてみると、雑誌を持ち上げて表紙を見せてくれた。クラッシイという雑誌だった。この女性は一言もしゃべってはくれず、反応に乏しかった。急に周囲の視線が気になってきた。私は諦めて、店を出て駅の方向に向かった。
紀伊国屋の脇にある、歌舞伎町と新宿駅を結ぶ道に差し掛かった。ここは女性を物色して声をかける良いスポットだが、キャッチも多い場所。キャッチのお兄さんたちの視線がやたら鋭く怖く感じる。今日の心理状況のせいだろうか。
この道には、光を地面に投射してキラキラ光っている場所がある。ちょうどそこに差し掛かったとき、そばにいた2人組みの女性が、緑色の光がキラキラ光りだした光景に「わっびっくりした」と驚いていた。「びっくりしますよね」と自然に話しかけて会話が始まった。
女性たちは歳は30代の後半くらいだが、2人のうちの片方は正統派な綺麗なお姉さんタイプで、かなり好みのタイプだった。女性たちは映画をみて帰るところだった。映画の話題などで会話をした。とにかく2人ともニコニコしていて、アルコールは入っていなかったが笑い上戸な感じの人たちだった。仕事や映画などありふれた話しかしなかったけど、良い意味で反応が大きくて楽しかった。
やっと出会えた愛想の良い女性。しかも2人。女の笑顔って最高だと思わされました。歩きながら話をしていたら新宿駅についてしまった。女性2人はそこで足を止めてまだ話に応じてくれる。連絡先の交換にもあっさり応じてくれて、お疲れ様で〜すと手を振り合って別れた。
愛想の良い女性との会話は楽しかったけど、とにかくこの日は疲れていた。さあ帰ろうと新宿2丁目方向に歩き出したとき、ド派手な女性が通る。ラスボスの登場だった。
ラスボス女性は歳は20歳くらい。黒いアイメイクはアヴリル・ラヴィーンを彷彿させる雰囲気があった。顔は白人っぽい美しさと、アジア人的な可愛さが混ざったような感じで、顔面中にピアスを数十箇所もしていて、髪の毛はオレンジ色に染まっていた。
アヴリルを少し日本人風の顔立ちにしたうえで、どぎついファッションをさせたような感じだった。
ハーフなのか、外人にあこがれている超美形日本人なのか区別がつかなかったが、すごい美女なのは間違いない。アヴリル級と言ったら言い過ぎだが、顔面ピアスを外せば本当にアヴリルみたいになるかもしれない美女だった。
今日はナンパはもう終わりだからと、スルーしようかとも思ったが、まるで、「オマエはこの女に声をかけれるか?」と試されているようなタイミングで登場したラスボスから逃げるのは嫌だった。
「意地でも声だけはかける」そう誓った瞬間、いかついヤンキー風の男がそのラスボス女性に声をかけた。女性は完全にシカト。男は3秒で諦めていた。この光景を見てすごく気が楽になった。無視されて当たり前なんだから大丈夫だ。さあ無視されるために声をかけようと、女性を追いかけた。
女性の右側に回り込み、こんばんは!と声をかけた。さあ無視してくれ。そして私はもう帰りたい。
女性は右耳に手を伸ばしオレンジ色の髪の中の耳からイヤホンを外した。私の目をジッと見てくる。無視されなかった。次になんて言えば良いのかわからなくなってしまった。
言葉に詰まって、「そのピアス痛くないの?」と間の抜けた質問をする私。ニヤッと笑って首を横に振る女性。
雰囲気と歌舞伎町方向に向かっていることから、風俗か水商売関係の人じゃないかと思い、「今から仕事行くの?」ときいてみると、「トウキョウデカダンスイキマス」とカタコトの日本語でしゃべりだした。外人だった。ポルトガルから来たらしい。
イマイチ日本語が通じなかったけど、女性はどぎついルックスとは裏腹にやたらとフレンドリーだった。私が唯一知っていたポルトガル語の「ボアタージ」を連発したら可愛い笑顔を見せてくれた。こんにちはという意味だから夜には間抜けに聞こえたのかも。
しかし間近で見ると顔立ちの美しさは半端じゃないし、20ヶ所くらいの顔面ピアスはなんだか怖いし、この人が愛想の良い反応をするとは本当に意外だった。
数分話して会話のネタもなくなり別れたが、最後に向こうから「アリガトー」と言われる。最後までフレンドリーだった。
金曜日の夜、いつものように新宿に行ってきました。この日は、たまにナンパを見学に来る友人が一緒に来ていた。去年の12月からたまに来るけど、本人はまだナンパをする気はないらしい。
友人の前で女性のアドレスを手に入れようと気合を入れてナンパを始めました。
西新宿の都庁の辺りで1人目に声をかけて無視され、そのすぐ後にすれ違った女性に勢いをつけて走って追いかけて声をかけた。
2人目の女性は笑顔を見せてくれたけど、あとから小走りでついてきた友人の存在に気付き、「お友達困っていますよ」、と言って引き気味になってしまった。暗い夜道で変な男2人組から声をかけられたら、警戒するのは当たり前かもしれないけど。
3人目の女性に声をかけた。「こんばんは。お仕事帰りですか?」とストレートに声をかけたら、「そういうのは結構なんで」とさらっと拒否。少し粘って話し続けると、
「そういうのは結構なんで!」
「そういうのは結構なんで!!」
「そういうのは結構なんで!!!」
と同じ返事が返って来るのだけど、語気はどんどん強くなっていき、女性の怒りを感じた。ただ話しかけただけなのにそんなに怒らないで欲しいんだけど。
繁華街に到着。最初に見かけた2人組みの女性に声をかけて完全無視された。でも全然気にならなかった。これでウォームアップは完了。友人の前で良いところを見せたくて、「絶対に連絡先を入手する」と誓って気合いを入れなおした。
西新宿の路上、2人組みの女性が立ち止まって話しをしていた。2人のうち片方は、まるで少女漫画のキャラクターかと思わせるほどのスレンダーなスタイルをしていた。現実の人間だと中島美嘉みたいな感じで、メイクを似せているのか顔も中島美嘉に似ている感じだった。女性たちは別れてバラバラになった。これはチャンスだと思って、好みのタイプの細い女性に声をかけた。
女性は一瞬は凍りついたように黙っていたけど、数秒後には笑顔を見せてくれた。かなり反応は良くて会話は続き、階段を下りて地下街に入ったところで足を止めてくれた。
この女性は名前をMちゃんと言い、28歳で、身長は160センチくらいで、体重は40キロないんじゃないかというくらいに凄くやせている。メイクも服も中島美嘉っぽい感じがした。中島美嘉にあこがれてると本人も言っているので、意識的に似せているんだろうけど。
Mちゃんから「これってナンパですか?」と聞かれて、「ナンパじゃないですよ、一目ぼれした。胸にビビッと来る物があった。だから勇気を出して話しかけた」と伝えたら、Mちゃんは大喜びした。かなり酒も入っているようでノリが良かった。
「お嫁さんになってください」と唐突にお願いしたら大喜びし、「さあ一緒に教会に行こう」と手を握ってみるとさらに大ウケ。ふと見ると、ナンパを見学に来ていた友人がこっちを見て引き気味な表情をしていた。ちょっと悪乗りし過ぎたかもしれないけど、Mちゃんはいたって上機嫌だった。
Mちゃんから「新宿で何をしてたの?」と聞かれてしまった。「運命の人を求めてさまよっていたんです。恵まれない僕に愛をください」と冗談のつもりで言ってみたら、Mちゃんは笑いながら右耳のピアスを外して、「はい!愛をあげる」と言ってピアスを渡してきた。ハート型のピアスだった。
早速自分の耳につけてみたら、Mちゃんは似合う似合うと喜んでくれた。しかし、地下街のコンビニの鏡に映るハートのピアスをした31歳の男の姿を見て、どこがやねんというツッコミが喉まで出掛かった。なんとかこらえて話を合わした。(下記に画像あり)
「出会えた事を祝ってお祝いしよう、乾杯しに行こう」、とカラ誘い(行く気はないけどとりあえず誘う)をしてみたら、Mちゃんは乗り気で、本当に店に行くことになってしまった。
私としては連絡先さえ聞ければ良いので、店に入っても無駄な出費になってしまうのだけど、Mちゃんは自ら進んで地下街の喫茶店に入ってしまった。私は渋々後に続いた。振り返ると友人の姿はなかった。はぐれてしまったようだった。
Mちゃんはこの店の常連のようで、店員と仲良さそうに話しをしている。近くに座っている客の中年男性とも知り合いのようで挨拶を交わしていた。なんだか居辛い雰囲気が漂っていた。
ウェイトレスが来て、Mちゃんはビール2つとにこやかに注文。私は車なので飲むわけには行かず、慌ててウェイトレスを呼び止めてオレンジジュースに変更してもらった。
一杯飲んで、落ち着いたMちゃんは妙なことを言い出した。「さっきはびっくりしたよ。ナンパかと思ったよ」と。いやどう見てもナンパなんだけど・・・。一目ぼれしたと言った私の言葉をまさか信じてしまったのか、Mちゃんはこれはナンパではないと思い込んでいるようだった。
ロマンチックな出会いのように感じてしまったのか、Mちゃんはすっかり上機嫌だった。対照的に友人が気になって私は落ち着かなかった。流れで店に入ることになってしまい、友人は店の外に置き去り状態だった。
私のソフトバンク携帯は圏外だったので、Mちゃんのドコモ携帯を借りて友人に電話をしたけど出なかった。友人は気になるけど、Mちゃんとの会話は結構弾んでしまい、30分くらいは店を出るに出れない状態が続いた。
ようやく店を出ることになり、会計のとき、私がレジで代金の1102円を払おうとしたら、Mちゃんはすばやく1000円札を置いた。今度は小銭を取り出そうとしたら、またしても先に100円玉を置かれてしまった。結局私は2円だけを払ってほとんどをおごってもらうことになってしまった。
店を出て次回会う約束を取り付けると、むしろMちゃんの方が喜んでいた。その姿が可愛いかった。「また会おうね、約束」と小指を絡めた。そのまま手を握ってみた。Mちゃんは好反応。別れるのが惜しくなってしまった。この日に限って友人が一緒に来ていたことを恨めしく感じてしまった。Mちゃんを改札まで送って別れた。
1人になり、急に我に返ったように、Mちゃんからもらって左耳につけていたハート型ピアスがずっしり重く感じた。
友人とやっと連絡がついた。新宿駅周辺をブラブラしていたらしい。突然店に入ることになってしまい、置き去りにしてしまったことを謝った。
友人と一緒に停めていた車に向かい歩いてると、西新宿の繁華街の端っこで、マスクをしてる一人歩きの女性を発見する。
とっさにネタが思いついた。持っていたポケットティッシュを一枚丸めて鼻に突っ込み、その間抜けな姿のまま「花粉症キツイっすね」と声をかけた。女性は笑ってくれたけど、仕事中らしくて、「この後すぐに次の仕事があるから」とやんわり拒否した。夜11時のこの時間からの仕事ってなんなのだろうか。だけど本当に急いでいる様子だった。
女性から「こういうときは連絡先を書いた紙とかを用意するべきでしたね。年上からの忠告ですよ」と言われてしまった。20代に見えたけど、実は年上だったのだろうか。それともチャラい格好の火川勇気が意外と若く見えたのだろうか。
女性は最後に「今日は嫌なことがあったけど楽になれました」と言って去っていった。
当HP記念すべき1枚目の画像・中年ハートピアス(キモ過ぎ)
2日前の金曜日に新宿で連絡先をきいたMちゃんと北千住で再会した。
待ち合わせ場所の丸井で2日ぶりの再会。再会と共に大げさに「2年ぶりだね〜!」と両手でハグしてみたら、「うん2年ぶりー♪」という返事が返ってきた。Mちゃんはシラフでもノリが良かった。
近くのサイゼリヤに行って色々話しをした。Mちゃんは本業とは別に副業でモデルをやっているらしくて、太ってはいけないという思いから拒食症気味になってしまったらしい。身長160センチで体重36キロまでやせたというから、そのやせっぷりは半端じゃなかった。中島美嘉よりやせている。
明るい性格とは裏腹に、あまり健康ではないようで、大きな病気も経験しているらしい。「子供が欲しいけど、もう産む事はできない」と悲しそうに言っていた。他にも会社でセクハラを受けている話とか、レイプされかかった話とかのダークな話が続いて、聞いてるだけで疲れてしまった。Mちゃん本人はあっけらかんと話してはいるけど。
他には、ファッションの話がちょっと出たときに、私の服装のことを、Mちゃんから「ヴァンキッシュなファッションしてるね」と訳のわからない単語で表現されてしまった。
ヴァンキッシュの意味を脳内で検索する火川。「高級スポーツカーにそんな名前の車があったな。マンガの猿ロックにそんな名前の音楽ユニットがいたな」、と出てきたけど、意味はさっぱりわからない。
トイレに行ったときに、携帯で「ヴァンキッシュ 意味」でググッてみた。打ち負かす、敵を完全に征服する、という意味だった。つまり目標を完全に沈黙させたときのエヴァみたいな状態?ファッションが目標を完全に沈黙させたときのエヴァ・・・余計意味がわからなくなってしまった。
サイゼリヤを出ることになった。会計は私がおごった。2日前にはおごってもらうことになってしまい、やっと借りが返せてホッとする。
次はカラオケ屋に行くことになった。近くにあった「歌うんだ村」に入る。お互いが数曲ずつ歌い、Mちゃんがチューハイを1杯飲み終わった頃にボディタッチをしてみた。
理由をつけて、手に、肩にタッチをしてみたが反応は悪くない。56センチのウエストにも触らせてもらった。めっちゃ細いウエスト!触っているだけでムラムラきてしまった。
次はトークで誘導して抱きしめてみた。
火川「こんなに細いとすぐ骨とか折れちゃうでしょう?」
Mちゃん「そんなことないよー」
火川「そうなの?じゃあ試そう」
横からギュッと抱きしめた。Mちゃんは何も言わず驚いている様子だった。「複雑骨折ですね」と呟いてみるとMちゃんはウケた。その隙に唇を奪った。
数秒間、唇を合わせていたけど、Mちゃんには顔を横に向けられてしまった。
一旦離れてから時間をおいて、もう一度迫ってみた。隙をうかがってタッチ、唇にまたキス、首筋にキス、耳にキスと進んだけど、Mちゃんはそれ以上は拒否反応を見せてさせてくれなかった。
また時間をおいて、3度目に迫ろうとしたら、ついに言われてしまった。「このオヤジめんどくさい〜」。笑いながらだったから半分は冗談だったのかも知れないけど、女性から初めてオヤジ扱いされてしまった。「オヤジしつこい!」ともう一発トドメを食らって傷つく火川。Mちゃん容赦なし。流石に職場でアネゴと言われているだけはあった。
室内の電話が鳴り、後10分と伝えられる。「延長する?」とMちゃんに尋ねると、「するわけないでしょ!飲みに行くよ」という返事が返ってきた。
気まずい雰囲気で部屋を出る。会計はMちゃんがおごってくれた。あんなことの後なのに意外だった。さっきのサイゼリヤのお礼だそうだ。アネゴは義理堅かった。
カラオケ屋を出た。じゃあ、と別れようとしたら、Mちゃんに呼び止められる。「一緒に来て、事情聴取するから」と半強制的に居酒屋に連れて行かれた。
Mちゃんはサワーをグビグビ飲みながら、絡むようにあれこれ質問をしてきた。
何人と付き合ってきた?どういう理由で別れた?いつもカラオケ屋で口説くの?コンドームは使ってるの?
答えづらい質問ばかりだったが、なんとかアドリブで誤魔化しながら答えた。あとはMちゃんのグチを聞かされたりと、ほとんど酔った女性に絡まれているだけで時間が過ぎた。カラオケ屋以外では女性を口説いたことがほとんどない私は、聞き役に徹することしか出来なかった。
色々話を聞いているうちに、Mちゃんは思ったよりもずっと重たい物を背負って生きている人だと感じた。
ついこないだまでガンの治療を受けていて、その影響で免疫力がかなり落ちているらしい。「セックスは良く知りあった相手としかしないから」、と言うMちゃんだけど、その理由には感染症を避けたいという意味もあったらしい。
居酒屋を出る。またしてもおごってもらってしまった。これでMちゃんとは通算4回店に入り、3回おごってもらってしまった。
居酒屋のビルのエレベーターに乗って降りる。2人きりだった。ラストチャンスと思い、横から肩に手を回し、抱きしめようとしたが、Mちゃんはやっぱり拒否。「もしホテル行こうよとか言い出したら2度と会わないよ」と言われる。
でも、ここで女性の言葉を信じて誠実な態度を取ったとしても、次に会える保証なんてない。ここで女性を信じて良い事はないと思った。
あえて「ホテル行こうよ」と言ってみた。「キス以上の事はしないから、もし約束を守れたらMちゃんと付き合うに値する男ってことになるでしょう?テストだと思って行こうよ」と続けてみた。Mちゃんは「キスで済むわけないでしょ。テストにならないよ」と拒否。最後の口説きはあっさり敗北に終わった。
北千住駅の近くまで一緒に歩き別れた。
後でMちゃんからメールが届く。「ナンパやめなよ〜。見ず知らずの素性のわからない子と過ごすって危険だよ(泣いてる絵文字)」という内容だった。心配してくれたような内容だった。Mちゃんって良い子だな〜と思わされた。でももう会うことはないんだろうなとも感じた。
1人と再会 10人と再会するまであと5人
2011年4月17日
4月1日にナンパして、連絡先をきいた2人組み女性のうちの1人と会ってきました。2人は30代後半くらいの歳だけど、片方は非常に好みのタイプのルックスだった。残念ながら好みの女性にはメールを無視されてしまい、今回再会したKさんはそれほど好みのタイプとはいえない女性だった(失礼だけど・・・)。
Kさんとは渋谷で待ち合わせをした。いつもの代々木公園近くにバイクを停めて、渋谷駅まで歩く。ついでに数人声かけもしておこうと思った。
歩き出してすぐに2人組みのギャルを発見する。目が合い正面から目をそらさずに声をかけた。片方の女性が小さく「ウザッ」とつぶやき、その後は無視される。
ばいば〜〜〜い、またね〜〜〜と大声、大きなアクションで手を振って別れてきた。ちょっとしたストレス解消のつもりだった。我ながら最近ふてぶてしくなってきた気がする。
最近、ナンパに対する抵抗感がなくなってきたというか、抵抗感があってもそんなのどうでもいいというか、なにか今までよりも一段大きな視点で開き直ってきた気がした。春だからだろうか。
渋谷駅に向かう途中、数人の女性に声をかけて全員に無視される。でも全然気にならなかった。そして井の頭通りに差し掛かったとき、制服姿の女子高生2人組みが登場した。当然勢いをつけてチャレンジしようとする私。だが突然我に返った。女子高生たちの進行方向には交番があった。
一旦あきらめるが、すぐに心の中で、「この程度であきらめるのはただの逃げじゃないのか?」と疑問が浮かんだ。まったくその通りだと感じた。ただ女子高生たちが交番を過ぎた後に声をかければ良いだけだった。
迷っている間に女子高生たちは交番を過ぎていた。走って追いかけたが人ごみがすごくて、なかなか近づけない。いつのまにか女子高生たちは人ごみの中に消えていた。どこか道路沿いの店にでも入ってしまったのか、完全に見失ってしまった。
チャレンジすら出来ずに敗北してしまった。迷いが生んだ敗北、まさに自分に負けたというやつだった。
悔しがってるヒマもなく、間髪入れず次の女性が現れた。
目の前を通りかかった派手な女性に反射的に声をかけた。横に並んで歩きながら話しかけた。無視はされなかったが、女性の反応は悪かった。
どういう用件で渋谷に来たのかを尋ねてみると、やる気のない返事で「しごとー」と答える。何の仕事かを尋ねると「さつえー」と、派手なファッションについてバッグや服をどこで買ってるのかをきくと「まるきゅー」と。
こんな感じで全く会話は弾まなかった。モデルの仕事をしてるらしくてルックスはかなりの物だし、この反応では私の手に負える相手ではないと思い、歩く速度を落として女性を先行させた。
バイバイと別れを告げてみると、女性は半分だけ振り返って手を小さくバイバイと振ってくれた。「撮影がんばって」と言ったら、女性はまた小さく振り返ってまたバイバイと手を振ってくれた。
私はかなり驚いた。今まで声をかけた女性と話が合わず、こっちからバイバイと告げて去ってきたことは数え切れないくらいあるけど、そのバイバイに反応してくれた女性は今回の人だけだった。ぶっきらぼうなしゃべり方で笑顔も全く見せてくれなかった女性だったけど、もしかして・・・嫌がってなかったのかも?もっと粘れば良かったのかもとちょっと後悔した。
渋谷駅に到着した。Kさんから指定された、ハチ公改札の交番前で待つ。交番には「女性の安全相談」という看板がかけられていて、「地域の絆が女性や子供を守る」と書かれていたポスターも貼ってあった。なにかテンションが下がりまくる。
待ち合わせ時間ちょうどにKさんが現れた。2週間ぶりの再会だった。
今回のKさんとの再会は、本当にただお茶を飲んだだけというヌル過ぎる再会だったけど、今は再会が目的でナンパをしているのでこれで十分だった。
一応、お茶の後にカラオケ屋に行こうという話もでて、国道246号線沿いに良い店があるから行こうという話になった。途中にはラブホテル街がある。そこを通ってあわよくばホテルに連れ込めないかと企んだが、ホテル街の入り口ですでにKさんは警戒して、別の道を通りたいと提案してきた。当たり前だった。結局カラオケに行くことはなく、渋谷駅に戻って別れた。
1人と再会 10人と再会するまで後4人
2011年4月23日
数日後にナンパ旅行出発を控えて、その前になんとしてもやっておきたい事がありました。
実は私にはトラウマがあった。溯ること1年と少し前、横浜駅のダイヤモンド地下街での出来事。声をかけた女性が書店に逃げるように入って行き、勢いで追いかけたら、女性は店内に入った瞬間「なんですか!」と反撃をしてきた。その時、店内にいた多数の客が、一斉にザッと視線をこっちに向けた。あの瞬間の、恐怖にも似た気まずさは今でも鮮明に覚えている。その後ヒザが震えたことも。
今回そのトラウマを克服すべく同じ本屋に行って来ました。
本屋に着く前にはあえて声かけはしなかった。ウォーミングアップをしない状態で、あの最悪の思い出のある本屋で女性に声をかけることが出来れば、もうどこでもナンパが出来るはず。あえてハードルは高くして挑んだ。
頭を空っぽにして挑もうと思った。ダイヤモンド地下街に入る。なにも考えずに本屋を目指す。
いきなり自分の頬をバシッと叩く。頭をよぎった雑念を振り払った。「あの本屋潰れてないかな」って思っちゃった。
本屋に入った。なにか去年の記憶よりもずっと小さい店だった。客は女性ばかり。一番可愛い子はレジのすぐ近くにいた。レジの店員も女性だった。何でも良いから声をかける、声をかける、声をかける、
・・・・・・かけれなかった。女性店員が異様に気になる。
おかしい。出来ないはずはないのに。大体ここは別の店じゃないか?と疑問が浮かび、辺りを見渡すと、通路の反対側にも本屋があった。
通路の反対側の本屋に入った。あの最悪の思い出の店に間違いない。雑誌を見ている女の子がいた。そのとなりには堅物そうなじいさんがなにかの雑誌を見ていた。チラッと見ると、女の子の見ている雑誌にはアイドルグループの嵐のことが書いてあった。
「嵐のファンですか?」と声をかけれた。キョトンとしてこっちを見る女の子。再び視線は雑誌に戻り、その後の火川の質問には全く無視だった。となりのおじいさんがジロッとこっちを睨む。
それだ!と思った。それですよ。その不審者を睨むその視線が欲しかった。あの時の恐怖の視線そのものだった。今回は睨まれた相手が1人だけだった事もあってか、思ったよりも怖くなかった。この感覚ならば2〜3人くらいは全然大丈夫。
心の奥が溶けるような感覚がした。心底ホッとしたような感覚がして思わず顔も緩んだ(女の子やおじいさんは逆でしょうね。うわ〜変なやつがいるよって、顔がこわばっていたかも)。
やっぱり現実は思ったよりもずっと怖くはなかった。勝手に想像した未来や、過去の記憶の方がずっと怖かった。
本屋を出ようとしたらサッカー雑誌を棚に戻した女性がいた。「サッカー良いですよね。どっかのファンですか?横浜?」と声かけ。女性は愛想笑いをしながら、本屋の奥に入っていった。追いかける事までは出来なかった。半端だったかもと反省。
車に戻るまでに、数人の目ぼしい女性に声をかけたが、無視ばかり。でももう、そんなことはどうでも良かった。