この日はナンパはなし。
3月22日に横浜駅でナンパし、迫って拒否されたにもかかわらず意外と仲良くなってしまったMちゃんと再会してきた。川崎でお茶を飲もうという話になり、ラゾーナ川崎で会ってきた。
待ち合わせ場所のラゾーナ川崎のディズニーのショップに行ってみると、仕事の疲れを癒すように店の中でぼ〜っとしているMちゃんを発見した。カラオケに誘う時間はなかったので本当にお茶を飲んだだけだった。前回迫って拒否された相手だったので、ちょっと遠慮がちになってしまった。しかしMちゃんとは話しをしているだけでも楽しい。お互いに口下手だったので、気取らずに会話が出来た。
Mちゃんは意外にもアニメ好きだったことが発覚した。新劇場版を見てエヴァにはまり、特に「序」のヤシマ作戦のシーンがカッコ良くて好きだったと言っていた。見た目はちょっと高そうな服を着たお洒落な女の子なのに、エヴァ好きとは意外だった。実は内向的な性格みたいだし、結構オタク系なのかも。
アニメの話しが続き、「こどものおもちゃ」が好きときいて驚いた。こどものおもちゃとは1996年から2年間放送されたテレビアニメ。私、火川勇気が、ひきこもりがちだったオタク時代にナンバーワンに好きだった作品がこどものおもちゃ(通称こどちゃ)だった。今でも好きなアニメだった。
こどちゃにはまって14年。まさか30歳を過ぎた頃に、ナンパした女性とこどちゃについて話しをする機会があるとは思わなかった。
お茶を飲みながらアニメトークをして、改札までMちゃんを送っていって別れた。
2010年4月4日
この日もナンパはなし。
Mちゃんからの誘いで横浜で会ってきた。
Mちゃんは職場が合わないらしく、この日も嫌なことがあったらしい。メールでもきいていたが相当息苦しい思いをしているようだ。ロッテリアでお喋りをした後、カラオケ屋に行った。
数曲歌った後に迫ってみることにした。初めて会ったときと比べて、打ち解けて友達感覚になってきているので、最初以上に迫りづらかった。
愚痴をきいたりしてMちゃんの役に立てるのは嬉しいが、ただの良い人で終わりたくはなかった。Mちゃんはルックスも性格も好みだったので、もちろんセックスもしたい。今までの経験上、気取ってそういう本音を隠すとろくなことにはならなかった。
それにMちゃんは性格が良いとは言えナンパした女性。いつ気が変わって音信不通になるかもわからない。行動しなかったことを後悔するのは嫌だった。
しかし問題もあった。それは、2月に買ったナンパ教材はまだ全部を聞き終わっていなかったので、本格的に女性に迫るやり方がわからないことだった。
結局、去年11月にHちゃんを口説いたときと同じように、肩を抱いたりして単純に迫ってみた。Mちゃんに対してはこれで前回は失敗しているが、他に思いつかなかった。
迫ってみるとMちゃんはかなり動揺している感じだったが、「彼氏がいるから」と前回と同じ理由を持ち出して拒否してきた。粘って口説き続けたがMちゃんの答えは変わらなかった。
2度も無様に女性に拒否されて情けなかった。思いっきり気まずい空気を引きずってカラオケ屋を出た。
横浜駅に向かっているときに、Mちゃんから「これで連絡が途絶えたら傷つくから」と言われてしまった。「本気でさびしいんだな、この子」、そう感じた。私はMちゃんに対してセックスしたいという思いが消えていく感じがした。「愚痴を聞くだけでもいいか。役に立てればそれで」、そんな風にふっきれた気がした。
横浜駅でMちゃんが改札の奥に消えていく後ろ姿を見送った。これが私の見たMちゃんの最後の姿になった。
後日談だが、Mちゃんとはこの後もメールはしていた。仕事のことなど愚痴を聞いていた。しかし、徐々にメールの回数は減っていき、自然消滅的に関係は切れてしまった。5月に私が東北旅行に行ったとき、お土産を渡すとメールをした。返事はもう返ってこなかった。
口下手同士、素のままで会話ができた珍しい相手だった。ロッテリアで会話に詰まったときはお互いに店の中を見回して、話しのネタになりそうな物を探した。沈黙が気まずくならない唯一の人だったかもしれない。愚痴れる相手が他に見つかっていれば良いのだけど・・・。
2010年4月6日
川崎にナンパに行った。
地下街アゼリアで一人歩きの20歳前後の女の子に話しかけた。反応は良くて会話が弾みそうだった。だがここで予想外なことが起きた。
走ってくる足音が聞こえた。「はあはあ」と息を切らせている吐息が聞こえた。振り返ると太めの身体の大きい男が立っていた。走ってきたのはこの男らしい。肩で息をしている。男はなにか困ったような顔をしていた。
男は女の子と目を合わせている。・・・やばい!私はやっと状況に気付いた。
「お疲れさまです!」と叫んでダッシュで逃げた。何がお疲れさまなのかは自分でもわからないが、とりあえず口をついた言葉だった。
無事に逃げることに成功して、ドッと疲れが出てきた。しかしあの女の子も、連れがいるならそう言ってくれれば良いのに。連れの男は決して怒っている感じではなかったが、それでも後から思い出すと怖くなってきた。
気を取り直して地上でナンパをすることにした。地下街アゼリアを出て銀柳街を歩く。
岡田屋モアーズの前で、20歳くらいのギャル系の派手な女の子が通りかかった。女の子の前方数メートルには若いイケメン2人組みが歩いていた。女の子と男たちは歩く速度も違っていた。私は迷うことなく女の子に声をかけた。
女の子は愛想の良い返事をしてくれた。このまま会話を続けようと思った。ハッと気付くと、さっきのイケメン2人のうちの片方が目の前に立ちふさがっていた。女の子の連れだった。
「お疲れさまです!」、私はまた叫んで逃げることになった。走り終わった後、私は疲れ果て、へたり込んだ。
この時点で、私がナンパを始めてから総勢600〜700人くらいには声をかけてきたと思うが、その中でナンパ中に連れの男が登場してきたというケースはこの日の2件だけだった。なんでそれが連続なのか不思議でしょうがなかった。確率的にほぼありえないのに、なぜか大当たりしてしまった。
2010年4月14日
川崎でナンパをした。
10人の声かけで、30代中盤くらいの女性がお茶の誘いに乗ってくれた。その女性はTさんと言い、川崎生まれだが今は外人と結婚して、外資系企業の社員で、中東のオマーンという国で働いているらしい。英語ペラペラ、腕時計は本物のロレックスというすごい人だった。
お茶の後にカラオケに誘ってみたら、1時間だけなら良いと言ってもらえた。カラオケではMISIAのEverythingのエリックマーティンカバーバージョンを歌い、Tさんに英語の発音を直してもらったりもした。
カラオケ屋に入って30分が過ぎた頃に、ついに迫ってみることにした。Tさんは数日後には日本を発ってしまう人なので、チャンスは今しかなかった。
残念ながらナンパ教材を最後まで聞いていなかったので、自己流のしょぼい口説きしか出来なかった。隙を見て手を握り、反応は悪くなかったので肩を抱いて寄せてみた。好みのタイプだからもっと仲良くなりたいと遠まわしに言ってみた。Tさんは余裕たっぷりな感じで、全く動揺せずに、「旦那がいるからそういうのはダメ」とはっきり言われてしまった。
「じゃあキスだけでも」と食い下がったがダメだった。
カラオケ屋を出て川崎駅に向かった。途中でほっぺだけでも良いからとキスを頼んでみた。Tさんはほっぺにキスは、本当は唇はほっぺにギリギリ着けないで音だけを出す物だと教えてくれた。私は教わった通りにTさんのほっぺにキスのフリをしたが、上手くできなかった。Tさんは慣れた物で何度もチュッと、私のほっぺギリギリのところでキスをしたフリをしてくれた。コツを教えてもらい何度も練習させてもらった。
人通りの多いところだったが、2人で数分間に渡ってチュッチュッとやりあっていた。
駅に到着した。別れる間際、Tさんは「特別だよ」と、ほっぺに唇を着けるキスをしてくれた。
数日後には日本を離れてしまうTさん。その後姿を見て、ちょっと名残惜しく感じてしまった。
2010年4月23日
横浜にナンパに行った。
何度も来ている横浜だが、新宿や川崎と比べるとなんかやりづらい感じがする。ナンパを開始する前はかなり緊張した。もう半年のナンパ経験があるのに情けない。
横浜はナンパ開始前の緊張感が他の繁華街よりも強い気がした。横浜の街との相性が良くないと感じ始めた。
ナンパを開始する。最初の間は反応の良い女性はいなかった。ジョイナスの前辺りでナンパをしていると、3人組の男たちがじっとこっちを見ていた。いかにもモテなそうな連中だった(私も人のことは言えないが)。じっと見られて嫌だったので、あえて見せつけてやろうと意気込んでナンパをした。
気合を入れて女性に声をかけ、無視された。恥ずかしかった。3人組の方をチラッと見る、しかしそこにはもう誰もいなかった。私の一人相撲だった。
しばらくして30代中盤くらいの女性と会話が始まった。最初は話しかけても足を止めてくれなかったが、相鉄線の改札の手前で止まってくれた。その女性Yさんは飲み帰りで、かなり酔っている感じだった。
このYさん。話しかけたときからして普通ではなかった。ふらついていたので、「大丈夫?」と声をかけたら大丈夫と答え、「じゃあ僕と2軒目行こう!」と誘ったら、返ってきた答えは、「ババアは帰ります」だった。色っぽいお姉さんだったので褒めてみたけど、まったく信じてくれず、ひたすら自分をババアだと言っていた。すごく好みのタイプだと告げてみたけど、自分はババアだからありえないと信じてくれなかった。結構本気で言ったのだけど。
その後はこっちをなにかの勧誘だと疑い始め、誤解を解くのが大変だった。なんとかナンパだと信じてはくれたけど、口説き文句は何を言っても効果はなかった。かなり酔っているのでタッチ技の練習をするのも良いかと思ったが、改札の前なので駅員にも見られていてやりづらい。
結局、連絡先だけきいて別れた。
2010年4月24日
新宿に終電の後の時間を狙ってナンパに行ってみた。全然人がいなくて4人しか声をかけれなかった。
茨城県から遊びに出てきていた女性と長話になった。西口の駅前で1人でたたずんでいた。終電を逃してしまったらしい。20代中盤くらいの歳で顔も綺麗でスタイルも良かった。名前をSちゃんといった。
すごく寒い日だったので、私の上着を貸してあげたりして色々世間話をした。この後東京に住んでいるお兄さんが迎えに来るらしいので、周囲に気を配りながら会話を続けた。しかしそのお兄さんは時間になっても現れず、しかも連絡も取れないらしい。
Sちゃんには泊まるのに適したネットカフェとか、近場のコンビニの場所とかを教えてあげたが、場所を移動するのは嫌がっていた。私もしばらく付き合って、話しを続けていた。
口説けるような雰囲気にはならなかったが、ダメで元々のつもりで軽く迫ってみた。会話が途切れたときに、距離を詰めて肩を抱いてみた。Sちゃんは身を丸めて防御の体勢をした。鈍い私でもこれは拒否されているとわかった。
とりあえず連絡先だけでもゲットしておこうと思い、アドレスを尋ねたが、「この携帯は家族から借りている物だから教えられない」と言われてしまった。たまに短期のバイトをしているだけと言っていたから、多分本当に携帯を持つお金がないのかもしれない。
私はSちゃんをあきらめた。近くの自販機で暖かいお茶を1缶買い、Sちゃんにあげてから立ち去った。