2009年11月6日

この日はナンパはしなかった。

1週間前に連絡先を教わったHちゃんと新宿で会ってきた。定番のアルタ前で待ち合わせをして、1週間ぶりの再会。お互いに顔を良く覚えていなかった。Hちゃんの顔を良く見ると、派手さはないがなにか女性的な魅力と言うか、グっとくる顔立ちだった。よく見るとチェ・ジウにちょっと似ている。前回会ったときは、派手で若くて可愛い女の子と話をした直後だったこともあって、Hちゃんは霞んで見えてしまったのだが、じっくり見るとHちゃんはかなり好みのタイプだった。

私はちょっと緊張してきてしまった。だが弱気になってはいけないと思い、今日は積極的にHちゃんを口説こうと誓った。

 

一緒に街を歩き、電話で音楽の話をしていたので、カラオケに誘ってみた。歌舞伎町近くのカラオケ館に入ってパスタなどを注文して食べた。食事が済むまではHちゃんの仕事の話などで無難に会話を進めた。Hちゃんは料理人だったので、注文したパスタについて色々尋ねたりした。

お喋りの後はカラオケを歌った。ちょっと時期が早かったがクリスマスソングのワムの「ラストクリスマス」と竹内まりやの「すてきなホリデイ」を歌った。Hちゃんが好きな曲だった。両方とも以前練習していたことがあったのでスムーズに歌えた。Hちゃんも歌いだして盛り上がってきた。

 

お互いが数曲ずつ歌い、予定していた1時間はあっという間に過ぎてしまい延長になった。私はHちゃんにモーションをかけようとした。だが何度も躊躇してしまった

今までテレクラや出会い系サイトで会った女性を口説いたときは、カラオケ屋で数曲歌った後にホテルに誘うというパターンがほとんどだった。今回は相手がナンパで知り合ったというだけで他に違いはない。けれど、なぜか、今まで以上に緊張する。

テレクラや出会い系サイトの女性は、男と会うときはセックスをすることまで意識した上でくるだろうけど、ナンパでは女性はそこまで考えてはいないのではないか。いきなりホテルに誘ったりしたらHちゃんを驚かしてしまうのではないかと、こっちが心配してしまった。それと同時に、こっちも拒否されて傷つきたくないという感情があった。

 

ちょっと考え込んでから・・・意を決した。良い人で終わりたくはなかった。好みのタイプであればなおさら、積極的になれなかったときは後悔も強いはず。もう傷ついてもいいと開き直った。それに今日は金曜日だったので、拒否されたらとっとと街に繰り出して、またナンパをすれば良いと思った。

Hちゃんとの座っている距離を縮めた。肩に手を回した。気の利いたセリフなど浮かばず無言でやってしまった。Hちゃんはイスの端の方に行ってしまい距離をとられたが、私は追いかけた。

とりあえず無言はまずいので相手を褒めまくった。可愛いとか細くて好みのタイプだとか、魅力的過ぎて我慢できなくなっちゃったとか、思いつくことを全部並べてHちゃんを褒めながら迫ってみた。Hちゃんの肩に後ろから手を回し、もう一方の手を前から肩に回した。横から抱きしめるようなポーズになった。Hちゃんは身を縮めて防御体制。首を横に振ってノーの意思表示をしてるようだが、顔は微妙に笑顔だった。

Hちゃんは「まだ会ったばっかりだし」と、この状況で女性が言うお決まりのセリフを言っている。それを無視して、可愛い、綺麗、魅力的と馬鹿の一つ覚えのように同じセリフを繰り返して迫る私。勢いをつけて迫っているが内心はほぼ諦めていた。

 

しばらく問答が続いた後、Hちゃんは「トイレ行きたいからちょっと離して」と言って私の手を振り解いた。そして意外なことを言い出した。「私こう見えても嫌がっていないから。ちょっとトイレ行きたいだけだから」と言い出したのだった。

どう考えてもそれは嘘のように聞こえた。今Hちゃんがこの部屋のドアを開けて外に出れば、もう2度と戻ってくることはないだろうと感じた。Hちゃんは肩にかけていたストールを外して私に手渡してきた。「これを預けるから。ちゃんと戻ってくるから」と言い残して、ドアを開けて出て行った。

私はそのストールを自分の肩にかけたり、首に巻いたりして、「こんなものもらっちゃってどうしよう」と独り言をつぶやいていた。ため息をついていたとき、ドアが開いた。Hちゃんは帰ってきた。

「おかえり」、「ただいま」、ぎこちなく会話を交わした。

 

2人でカラオケ屋を出た。Hちゃんは支払いはちゃんと割り勘で払ってくれた。2人で街を歩く。カラオケ屋の一件で2人の距離は縮まっていた。手を握ってみても、肩を抱いてみてもなにも言われなかった。そのままラブホテルに連れて行こうとしたが、それはしっかり拒否された。

私が車で来ていることを話したらHちゃんからドライブに行きたいという提案がなされた。

私の車に向かう。しかし、繁華街から離れたところのパーキングメーター(夜間はタダ)に停めてあったので、そこまでの距離は遠くて大変だった。歩くのが大変というのではなく、間を持たすのが大変だった。私は口下手ながらしゃべり続けて、出来るだけ肩を抱いて密着して、Hちゃんの気持ちが冷めないように必死だった。

苦労の甲斐があって無事に車についた。私は精神的に疲れたが、体力的には問題なかった。しかし、Hちゃんは体力的にきつかったようで、こんなに歩くとは思わなかったと言われてしまった。長野県出身のHちゃん。地方の人ってどこに行くのも車で、ドアからドアの生活に慣れているから、歩くのは苦手みたいだ。

 

ムードの良さそうなBGMをかけて車を走らせた。こういうときのためのBGMは数年前から用意していた。使うのは初めてだが。

お台場に行ってみようということになり、レインボーブリッジを渡ってお台場に着いた。駐車場に車を入れて、海浜公園を手をつないで歩く。ちょっと立ち止まったときにほっぺにキスをした。続けて唇にしようとしたがやんわり拒否された。

海浜公園を出てアクアシティ(デックスだったかも)に移動する。階段を上がると景色がすごく良かった。手すりに寄りかかって東京タワーとレインボーブリッジを眺めているHちゃんの肩を強く抱き寄せ、唇を重ねた。

車に戻ってからも、何度も何度もキスをした。このままゲットは確実かと思ったのだが、Hちゃんは体調が良くなかったことを理由にそれ以上はさせてくれなかった。最後の手段とばかりに必死にお願いし続ける私。

結局車の中で、1時間に渡って「お願い!しようよ」、「今日はアレだからダメ」、「じゃあ口だけでも」、「それもダメ」と問答が続いた。

さっきまでのロマンチックなムードから一転して、滑稽すぎる展開に。

だがロマンチックな展開も、滑稽な展開も私の人生で1、2を争うくらいに興奮した時間だった。

結局私が折れてこの日はキス止まりだった。世田谷区のHちゃんの家まで送っていき、翌週にまた会う約束をして別れた。

 

 

                                      2009年11月12日

木曜日だったが横浜駅に軽く声かけに行った。3人に声をかけて2人が愛想が良かった。特に収穫はなかった。

 

 

                                      2009年11月14日

この日はナンパはなし。

先週会ったHちゃんと再びデートをした。横浜駅で待ち合わせをして、軽く食事の後にカラオケに誘った。数曲を歌ってまた先週のように迫ってみた。簡単にキスまでさせてくれた。先週よりはガードが甘かった。

カラオケ屋を出た。すぐ近くにはホテル街がある。「横浜駅はこっちだよ」と嘘をついてホテル街の方に連れて行った。クリスマスツリーが飾ってあるホテルがあった。「綺麗だね近くで見ようよ」と手を引っ張ってホテルに入った。抵抗はなくそのままチェックイン。そしてゲットとなった。

私のナンパ人生で二人目のベッドイン。関東地方で初めてのゲットだった。

ナンパの技術も何もない私が、幸運で掴んだゲットだった。女性から与えられた、ゲットさせてもらったという方が自然かもしれない。

 

後日談だが、Hちゃんとはこの後も数度会い、年末まで関係は続いていた。東京都のラブホテルにも行ったことがあったので、東京都で出会い東京都でゲットするという条件を満たし、全国制覇の東京都代表になった。

好みの女性と親しくなれたことが嬉しくて、ナンパをサボりがちになってしまった。

年末に別れることになり、そのときに意外な話を聞かされた。それはお台場に夜景を見に行った11月6日。あの日のHちゃんの本音の話だった。

私が強引に迫ったときは怖がっているようなそぶりを見せていたが、本音はセックスがしたくてたまらなかったそうだった。欲求不満気味の時期だったそうだ。

友人から「ナンパ男といきなりセックスなんてしちゃダメだよ」と忠告をされていたそうで、必死になって我慢していたとか。あの日は私も必死になって我慢した日だった。お互いになんとも無益な我慢をしたものだった。

お台場からの帰り道、車の中で眠っていたと思ったHちゃんは実は起きていた。目をつぶっていただけだった。「次に目を開けたときはラブホテルだったら良いな」と思っていたらしい。女性が表面に見せている態度と本音が違うとはよく言われることだけど、これほどとは思わなかった。非常に驚かされた。

でもHちゃんは最後にこう付け加えた、「でもあのとき、本当に目を開けてホテルだったら多分拒否ってたかも」。

女心わからん・・・。

 

 

                                      2009年11月20日

新宿でナンパをする。32人に声をかける。アルタの前で声をかけたエステサロン経営のNちゃんの番号をゲット!まだ20代前半くらいに見えたけど経営者とはすごい。話しかけてから、数分の間エステの仕事の話などをして会話を延長して、好みのタイプだから仲良くなりたいとストレートに告げて電話番号を教えてもらった。

ナンパの帰りにNちゃんに早速電話したが出てくれなかった。早々に死に番確定・・・。

連絡先1件ゲット 10件集めるまで残り4件

 

 

                                      2009年11月27日

初めて池袋にナンパに行った。街を歩いてまず思ったのは、本当に池袋の繁華街は巨大だということだった。神奈川県民の私としては、新宿や渋谷に行く機会はあっても、池袋まではそうは来なかった。池袋の繁華街の大きさは新宿と比べるとさすがに負けるが、新宿の半分以上の規模はありそうだと感じた。

街を見ることを重視し、声かけはたった2人だけだった。愛想の良い人は0人。

池袋ではやたら色っぽい雰囲気の美人が一人歩きしているケースが多かった。水商売か風俗関係の人だろうかと思った。

 

 

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