2010年4月〜5月、ゴールデンウィークにバイクで1週間の旅に出た。私にとって2度目のナンパ旅行だった。
旅の目的は、青森県以外の東北を巡って、地方の女性をナンパしたときの反応や、地方での出会い系サイトの様子などを調査する目的だった。まだまだ今後の全国制覇に向けての準備段階のような旅だった。
最近中古バイクを1台買い足したので、そのバイクでの長距離の走り心地を調べる意味もあった。
買ったバイクはスズキ製の250CCバイク。レトロで渋いデザイン、燃費の良さ、気張らないスタンダードっぷりに惹かれて買ったバイクだった。
出発前
出発の2週間ほど前から、出会い系サイトで東北の女性にアプローチしてみた。使用したサイトは、完全無料の「スイートビーチ」、ポイント制の「ワクワクメール」、同じくポイント制の「ハッピーメール」。
まず無料のスイートビーチを使い、東北の青森以外の5県の女性にメールを100通ほど送ってみた。1日に10通までしか出せないので10日かかった。反応は全くなし!もともと無料サイトは反応が悪いし、地方では女性が少ないから仕方ないのだが、返事はおろか、私のプロフィールにアクセスしてくれる女性すら皆無だった。
スイートビーチは一度閉鎖されて復活した経緯があるので、そのときに女性会員がいなくなってしまったのではないかと思った。完全無料で実際に出会った経験もあるサイトだっただけに、スイートビーチが使えなくなってしまったのは痛かった。
ポイント制のワクワクメールとハッピーメールで、1日に1回無料で更新できる掲示板機能を使ってみた。掲示板はジャンルごとに別れているが、「アブノーマル」から、「メルトモ募集」の項目まで、色々な項目に書き込んでみた。場所は青森以外の東北5県で、私が書き込んだメッセージ内容は、「神奈川県からバイクで行きます、旅先での素敵な出会いがあると嬉しいです」というストレートな物。
メールはなかなか来なかったが、私のプロフィールへのアクセスは毎日数件あり、女性の反応があったことで嬉しくなり、毎日掲示板を更新し続けた。
ワクワクメールは深夜0時で1日が切り替わるが、ハッピーメールは前回の書き込みから24時間が過ぎると次の書き込みが無料になる。最初この違いがわからず、ポイントを無駄に使ってしまった。
旅に出る前に、地元の神奈川県の金山神社に行ってお参りをしてきた。この神社は、巨大な男性器の形をした御神体があり、地元では有名なところ。子孫繁栄を祈願して訪れる人たちも多いらしい。
私は子孫繁栄は望んではいないが、旅先でのナンパ成功を祈ってきた。お賽銭を入れて手を合わせ、「セックスが出来ますように」と祈った。ふざけてはいない。大真面目にそう祈ってきた。
神社には可愛い猫がいて、ちょっとなでてあげたら後を付いてきてしまった。よく見るとメス猫だった。旅先でも女の子に付いてきてもらえたらなぁと思いながら神社を出た。
1日目
初日。まず出発する前に、家の車庫で悩むことになる。今回乗るレトロバイクは、ビッグスクーターのような荷物の収納力はない。後部座席に荷物をくくりつければ問題ないと思っていたが、予想以上に荷物が積みづらく、ツーリングネットで後部座席に固定しようとしても、すぐにずれてしまう。左右にずれると、落下しそうな気がして気分が落ち着かない。前方にずれると、私の背中やお尻を圧迫して不快だった。
荷積みがうまくいかず、あまり快適ではない状態ではあるが、我慢して出発した。
去年は車で走った国道4号線を北上する。去年の旅での思い出がよみがえる。人生初のナンパや、青森でのRさんとの奇跡的な出会い。今回も良い出会いがあると嬉しいのだが。
栃木県の宇都宮を過ぎてしばらく進んだ辺りで、急に雨に見舞われた。たまたま陸橋が頭上を通っていたので、その下で雨宿り。雨脚は強さを増し、陸橋の下にいても水しぶきが飛んでくる。足元にも水が流れてきた。雨は20分ほどでやんだが、突然の土砂降りには驚いた。
この付近で雨と言えば、08年の夏にバイクで通りかかったときに、私が通った後にとんでもない豪雨があったとニュースに出ていた。あのときは、あと数時間ずれていたら、バイクで走行中に豪雨に見舞われるところだった。この付近は雨が降りやすいのだろうか。
しばらく進んで、ジャスコに立ち寄った。チャンスがあればジャスコ内でナンパをしようと思い、軽く店内を見渡したが、ターゲットになる一人歩きの女性を発見することは出来なかった。代わりに、セルフサービスのレジという変わったものを発見した。客が自分でレジを打ってお金を払うらしい。その光景を見ていたが、なんとも不思議な感じだった。
福島県に入り、グリーンモールというスーパーに立ち寄って食料を買う。建物内を見て回っていると、子供たちが遊びまわっているスペースがあり、遊具の車があった。その車にはナンバーまでちゃんと付いていて、よく見ると川崎ナンバーだった。まさか福島県のスーパーマーケットで、神奈川県でもレアな川崎ナンバーを見るとは思わなかった。
私にとって川崎はほぼ地元であり、旅に出る前にお参りをした金山神社も川崎にあった。なんとなく、金山神社の巨大な男性器の御神体や、頭をなでたら後をついてきた猫を思い出しながら、今回の旅でも良い出会いがあるかも・・・と予感した。
福島市に着くちょっと手前で、大きな看板に290円と書いてあったラーメン屋に立ち寄る。ラーメンの味も良くて、店員の女の子は可愛いし、良い店だった。私は普段は気が弱いので、こういう店で一番安い料理だけを頼むのはちょっと気が引けてしまうのだが、この店は食券制だったので、一番安い290円ラーメンだけを頼んでも気にならなかった。
福島市に到着する。福島駅周辺をバイクで走ってナンパをするのに適しているか雰囲気をチェック。それと同時に、バイクの駐車禁止の取り締まりが厳しいかどうかもチェックしなければならない。
夜だったこともあり駐禁は問題なさそうだった。ナンパに適している繁華街があるのは福島駅東側だが、西側で一人歩きの女性をポツポツ発見したので、西側からナンパを始めてみた。
駅から少し離れた場所にバイクを停めて、ヘルメットを脱ぎ、つぶれた髪型を隠すために帽子をかぶる。身なりを整えている最中に、駅から1人の女の子が歩いてくるのを発見した。制服姿の女子高生だった。高校生でも3年生ならば18歳の可能性もあり、ゲットしても犯罪ではない。しかし現在は4月。その女の子が18歳の確率はかなり低い。でもウォーミングアップのつもりで声をかけてみた。
女の子の後ろから追いつき、肩越しに声をかけた。すると、その女の子は素敵な笑顔を見せて答えてくれた。名前をMちゃんと言い、吹奏楽部に所属していること、部活帰りで遅くなったこと、このあと親が迎にくること、こっちの質問に笑顔で答えてくれた。高校3年だが歳はやっぱり17歳だった。
18歳未満に手を出すつもりはないので、これ以上話していても無駄なのだが、やっぱり若くて可愛い女の子を目の前にすると、ただ世間話をしているだけでも楽しく感じてしまう。Mちゃんの所属する吹奏楽部での練習などの話を聞きながら、2人で並んで歩き続けた。
しかしこのMちゃん、初対面の人間が急に話しかけてきたのに、まるで親しい友達と話をしているかのように、私との会話を楽しんでいる感じだった。社交的な人間って良いな〜と羨ましくなってしまった。笑顔も本当に可愛かった。
私は素直に「Mちゃんって可愛いね」と伝えてみた。するとMちゃんは非常に恥ずかしがった。本当に半端ではない恥ずかしがり方だった。顔を手で押さえて、首をブンブン横に振って恥ずかしがる姿がまたさらに可愛く、見ていてドキドキしてしまった。
私はまた素直に、「今の姿が可愛くて、胸がときめいたよ」、「Mちゃんのことが好きになりそうだよ」、と伝えたら、Mちゃんはさらにブンブン首を振って恥ずかしがった。髪の毛を振りかざして恥ずかしがるMちゃんの姿は、まるで歌舞伎のような感じだった。なんとも豪快な恥ずかしがり屋さんだった。
ほどなくして、Mちゃんが親と待ち合わせをしているTSUTAYAに到着した。相手が17歳とは言え、このまま別れるのはあまりにも惜しい。ダメもとでメールアドレスをきいてみたら、あっさり教えてくれた。そろそろ親が来るというので、アドレスを教わったあとは速やかに別れ、TSUTAYAを出た。
いきなり1人目の声かけで、女子高生のアドレスをゲット出来てしまった。相手が17歳なのであまり意味はないのだが、すごい充実感を感じていた。
その後、駅の西側で女性を観察して気づいたが、駅の西側周辺でヒマそうにしている女性は多いのだが、親(?)などが車で迎えに来て、女性はその車に乗り込んで去って行くというケースが多かった。西側で声をかけると、女性の親とトラブルになる可能性があるかもしれないと思い、反対側の駅の東側に移動して声かけを続けた。
東側でも可愛い女の子が多かった。女の子たちは声をかけると話し相手はしてくれるのだが、会話が盛り上がった人はいなかった。唯一、バンドの練習帰りの女の子が、笑顔で話し相手になってくれたが、ナンパだとわかるとちょっと引き気味になってしまった。このバンド帰りの女の子は相当ルックスが良かったが、ナンパなんてされたこともないと言っていた。
最初のMちゃんを含めて、福島では5人に声かけをした。Mちゃんのことで非常に充実した気分だったので、ナンパは5人だけで切り上げることにした。
ネットカフェ自遊空間に泊まる。Mちゃんにメールを出すと、すぐに返事が来た。Mちゃんからもらったメールは、「今日はあわただしくてごめんなさい。また今度」という内容だった。また会えたら良いな、と思いながら今回の旅の最初の夜を迎えた。
2日目
福島を出発して仙台に向かう。昼過ぎには仙台に到着してしまった。国道4号線沿いにあったマクドナルドによって食事。そのままダラダラ時間を潰してしまった。
なにかナンパをする気になれなかった。前日、1人に声をかけただけで女子高生のMちゃんのアドレスがゲット出来たので、ちょっと気が緩んでいた。
仙台の街を軽く見て回り、前年に人生初のナンパをした場所に行ってみた。なんの変哲もない歩道だが、ここから私のナンパ人生は始まった。とりあえず、初ナンパ記念の場所の近辺で1人だけ声をかけた。あっさり無視される。
この日はこれ以上ナンパを続ける気になれず、仙台のネットカフェに泊まった。
3日目
この日の目的地は秋田。仙台を出発して4号線を北に進路をとり、岩手県北上市で4号線を外れて、秋田県の横手市方面に向かう。
山を越えて横手市を通り、県庁所在地の秋田市に着いた。まだ夜10時過ぎだったが、秋田駅の周辺はとても静かだった。
ナンパをする気はあったのだが中々ターゲットになる女性が見つからなかった。前日の仙台では女性はいっぱい居たのにナンパをする気になれなかったので、正反対だった。
ターゲットが見つからないまま、時間だけが過ぎていく。11時が近くなるとさらに静まり返っていた。
なんとか駅周辺で1人の女性に声をかけた。お酒の販売関係の会社に勤めている女性だった。話し相手にはなってくれるのだが、なぜ話しかけられたのかはわかっていないようで、不審がっていた。ナンパだと告げても反応は薄く、「すみません、そこに車がとめてあるので」と言い残して、パーキングにとめてある自分の車に速足で去っていった。
2人目の女性に声をかけても、まったく話は盛り上がらなかった。だがこの女性から、秋田では駅周辺よりもカワバタという繁華街の方が人が多いと教えてくれた。場所も教えてくれたのでカワバタに移動してみた。
カワバタに行くと、確かに駅よりは人は多く、女性もいるのだが、一人歩きの女性は中々いなかった。それにカワバタは治安が悪そうな雰囲気で、ナンパはやりづらかった。
なぜか1人で泣いている女性を発見したので、「大丈夫?」と声をかけたが、「大丈夫です。連れがいますから」と言って、前方の男の方に走り去っていった。だが、その男ってまったく関係ない人たちのように見えたのだが。ナンパを除けるための口実だったのだろうか。なぜ1人で泣いていたのか気になってしまった。
次は、明るそうに意気揚々と歩いてる女性に声をかけた。「これからダンスに行くんですよ」と非常に明るい笑顔で答えてくれた。相手が明るいとこっちも明るくなってしまう。明るい雰囲気でトークは続き、調子に乗って「おれもダンスに一緒に付いて行きたい」と告げたら、女性は笑っていたが、はぐらかすように「仕事はなにをやってるの?」と聞かれてしまった。正直に自分の仕事を告げると、「絶対にうそ!本当はしゃべる仕事でしょ?」と言われてしまった。
褒められたのか、けなされたのか良くわからないが、ダンスに一緒に行くことは拒否されてしまったのだから、多分けなされたのだろう。調子に乗ってしゃべりまくったは良いが、トークの内容がつまらなかったのかも。連絡先も教えてはくれなかった。
この日はナンパはたった4人で終わり。声をかける対象がいなかった。ネットカフェプリームスに泊まる
出会い系サイトのハッピーメールで、秋田県のHさんという女性からメールが届いた。歳が40代とのことだが、去年の青森で出会った色っぽい40歳のRさんのことを思い出すと、40代でも美人は美人だし、なにより美人の里・秋田なのだから大丈夫だろうと思った。しかしこのHさんは、アドレスを教わり直メールで世間話のメールを数通したあと、翌日会えないかと伝えたら返事がなくなってしまった。
福島でメールアドレスを教えてくれた17歳の女子高生Mちゃんにメールを出すが、もう返事は来なかった。女の子の気分は変わりやすいもの。日が変わり、気分が変わって、もうナンパ男のことは忘れてしまったのかもしれない。ちょっと悲しいが仕方ない。
4日目
秋田市で昼からナンパをしようとしたが、どうも気が乗らない。ネットカフェ近くのドンキホーテに行く。段差のない傾斜したエスカレーターが珍しかった。ドンキでは1人で買い物中の女性も見かけたのだが、建物内では声をかけづらい。
秋田にはテレクラがあるときいたので、ネットで調べた場所に行ってみた。しかしそこにはそれらしき店はなかった。潰れてしまったのだろうか。やはりもうテレクラの時代ではないのかもしれない。
秋田駅に向かうと、昨日の夜とは一変して大勢の人がいた。一人歩きの女性もいるのだが、真昼間からだと声がかけづらい。
駅近くでアニメショップのアニメイトを発見する。私は元アニメオタクなので、地元横浜のアニメイトには良く行っていた。懐かしくなり、ついアニメイトに入ってしまった。アニメグッズを見て回っているうちにすっかり時間が過ぎてしまった。すると、どうせなら夕方くらいまで時間をつぶしてからナンパを始めたほうが良いのではないかと思ってしまった。
コンビニによって本を読むことにした。すると、「学校では教えない世界地理のツボ」、「地球外生命体の謎を楽しむ本」、といった私好みの本が置いてあり、つい読みふけってしまった。
旅で疲れてしまったのか、私はナンパに対して逃げ腰になっていた。そんなときに、コンビニ内に並んでいる本の中に「花の慶次名言録」を発見する。以前少年ジャンプに連載されていた「花の慶次」の本だった。その本にはこんな言葉が書かれていた
「2度とない今日という日を風流せい!」
前田慶次殿の言葉に刺激されて、再び秋田のストリートに出た。
勢いをつけて手近な女性に連続で声をかけた。頭で考えるとついつい余計なことを考えてしまう。頭が働く前に身体を動かすことが大事だという判断だった。6人の女性に声をかけた。
話し相手はしてくれるが、早く開放して欲しいという態度をしてる女性も多かった。
2人目に話しかけた女性は、普段は東京で働いていて、ゴールデンウィークだけ里帰り中の人だった。世間話の後に、私が「僕も関東から来てるんですよ。今度また東京で会いませんか?」というと、その女性Kさんはあっさりとアドレスを教えてくれた。今回の旅で3件目のアドレスゲットだった。
4人目に話しかけた相手は、18歳で高校を出たての女の子だった。名前はAちゃんと言い、最初は警戒していて、早く逃げたそうな雰囲気を漂わせていた。しかし、会話が長引くにつれて警戒を解いていった。飼っている犬の話とかを笑顔でしてくれるようにもなった。打ち解けた感じだったので、アドレスを尋ね、教えてもらった。今回の旅で4件目のアドレスゲットだった。そのAちゃんは「今日は家族と用事があって忙しいけど、明日ならいつでもメールしてくれて大丈夫」と言っていた。
5人目に話しかけたのは、これはもうアイドル級ではないかと思うルックスの美少女だった。私服なので高校生なのかどうか区別が付かなかったが、歳は10代後半くらい。話しかけると、非常にドギマギした様子をしていた。むしろこっちがドギマギしそうなのだが、相手の美少女の方が驚いて恥ずかしそうにしていた。こんな美少女でもナンパされるのは珍しいのかもしれない。お茶に誘ったが、待ち合わせがあるからと断られた。断られはしたが良い経験になった。
6人目。献血のポスターを眺めていた20代後半の女性に声をかけた。献血をネタに声をかけようとした。ちょっと悩んでしまったが、なんとかネタが浮かぶ。最近AB型の血液が足りないみたいですねと話しかけ、相手がA型かB型だったら、火川もAかBと言い、「一緒に献血すればAB型になりますね、今から行きませんか?」という冗談を飛ばす予定だった。女性がO型やAB型だったら・・・そのときはアドリブで。
しかしこの女性MAさんは、非常に社交的な性格で、私が話しかけると、冗談を飛ばす間もなく色々質問されてしまい、いきなり向こうのペースに引きずり込まれてしまった。言葉の発音で、私が関東の人間だと言うこともすぐわかったようだ。ちょっと前まで東京に住んでいたらしい。
結婚して秋田に来たけど退屈しているらしい。人妻ではあるがお茶に誘ったらOKしてくれた。しかしこのMAさんは非常に手ごわかった。話し相手が欲しかったらしいが、一方的にしゃべりまくるわけではなく、適度にこっちにも話を振ってくる。こっちがちょっと話すと、またMAさんが話したいことに話題がいってしまう。ずっと主導権を取られっぱなしだった。
元々おごる約束で店に行ったので、お茶とケーキ代をおごることになった。電話番号やアドレスをきいたが、旦那に怒られるからと拒否される。常に余裕たっぷりで手ごわく、ナンパ初心者の火川勇気の手に負える相手ではなかった。
だが、たかが千円ちょっとの出費。旅先で女性とお茶が飲めたのは良い思い出にはなった。
秋田でのナンパはここで切り上げることにした。
ハッピーメールの40代女性Hさんにメールをするが返事はなかった。
この日のうちに秋田から岩手県盛岡まで移動することにした。
岩手まで行くには山を越えなければいけないが、流石に東北だけあってかなり寒い。厚着をして、さらに雨具まで着込んで走った。
途中、桜祭りの真っ最中で賑わう角館市を通った。祭りはナンパにはうってつけだが、自分の服装がダサすぎてナンパをする気になれなかった。一度着込んだ防寒着を全部脱いで、つぶれた髪や汚れた顔でナンパをしに行くのは相当のパワーが必要になる。結局バイクを降りることもなく、近くを通り過ぎただけだった。
盛岡を目指して走り続ける。寒さはどんどん増していき、道端に備え付けられていた温度計は気温8度と出ていた。私が今回旅の相棒に選んだレトロバイクは、風を除ける装備はまったくなく、完全に吹きさらしだった。寒さに耐えかねた頃に、温泉のある道の駅に到着する。暖かい湯に漬かってまさに生き返る思いだった。
岩手県盛岡市に到着する。まだ時間は10時頃だった。盛岡でナンパをする。つい数時間前まで秋田でナンパをしていたのに、町が変わるとまた抵抗感を感じてしまった。なんとか5人に声をかけた。皆話し相手自体はしてくれるが、ただ無下に出来なくて、仕方なく会話をしてくれてる感じだった。収穫はなく終了。
ネットカフェフリークスに泊まる。料金も安くて今までで一番良いネットカフェだった。
寝る前に、昼にアドレスをゲットした秋田に里帰り中のKさんにメールをしたが、返事はなかった。
5日目
昼までは盛岡市内でコンビニで雑誌を読んだりしながらのんびり過ごす。
前日に秋田でアドレスを教えてもらった18歳のAちゃんにメールをしたが、返事はなかった。この日ならいつでもメールして良いって言ってたんだけど・・・1日たったら気が変わるのが女の子だし、仕方ないけど。
今回の旅で福島、宮城、秋田、岩手でナンパをしたので、最後に山形県に行ってみようと思った。山形県までのんびり走る予定だった。
盛岡から国道4号線を南下し、北上市から秋田県の横手市方面に向かう。ここは往きに通った道と同じで、往きでは左折した入った道を、今度は逆方向から右折して入った。横手市から内陸の道を通って山形県山形市に行こうと思っていた。
横手市の近くでコンビニに立ち寄って休憩し、これで最後のつもりでハッピーメールの40代女性Hさんにメールをしてみた。前日はメールを無視されてしまったが、今回は返事があった。秋田県横手市にいることを告げると、今日すぐに秋田県大仙市まで来てくれるなら会えるという。
Hさんは、ハッピーメールのアダルト掲示板の書き込みからメールをくれていた人だった。それだけに、会ってすぐにゲット出来る可能性は高い。40代の年齢はともかく、すぐにゲット出来るかもしれない女性を放っぽったまま、次の街に行くことは出来なかった。大仙市に向かいHさんと会うことにした。
大仙市に着き、待ち合わせのイオンに向かう。指定されていたベンチにHさんはいた。そのルックスはちょっと微妙だった。かなり若作りはしてるが、ちょっと歳が・・・。はっきりと40代だなとわかってしまう雰囲気だった。
ほっそりしたスレンダーなスタイルは、前年に青森で会ったRさんを彷彿とさせるものだったが、後もうちょっと若かったらと思ってしまった。
「10年前に一発やりたかったですな」と、シティーハンターの冴羽リョウの台詞が頭を過ぎった。
しかし、全国制覇のためならば、相手が多少歳の人でもチャンスがあればゲットしたい。私はHさんを口説くことにした。
とりあえずHさんの車に乗せてもらう。助手席に乗り、世間話をしつつ隙を見て手を握ろうと思った。Hさんは意外にもマニュアルの車に乗っているので、シフトレバーを操作するHさんの左手を握るのは大変だった。手を握っても何の抵抗もなかったので、「車を停めて」と頼み、道端に車を停めてもらった。
Hさんの身体をちょっといやらしいタッチで触ってみた。Hさんはなんの抵抗もなく微笑んでいる。私は「もう少し静かな場所で2人でイチャイチャできる場所に行こう」と言ってみた。Hさんは頷いて、ちょっと悩みながら車を走らせ出した。そして、どこかの建物の駐車場についた。なんなんだろうこの建物は。かなり寂れた感じの静かなところだった。
Hさんは私の言葉そのままに、静かでイチャイチャするのに適している場所に案内してくれたのだった。ちょっと言い方が悪かったようだ。私ははっきり「ラブホテルに行きたい」と言った。Hさんは近場のラブホテルまで車を飛ばした。さっきより明らかに走るペースが速かった。Hさんも我慢が出来なかったのかもしれない。ホテルに入ってすぐにゲットとなった。
ホテルを出るときに、掃除をしに来る人とすれ違った。客がいるうちに来るとは珍しい。このときに掃除に来た人はかなり若くてキレイな女性だった。さすが秋田、ラブホテルの掃除人が美人だったのには驚いた。出来ればこっちの若い秋田美人をゲットしたかったな、と感じてしまった。ゲットさせてもらったHさんには申し訳ないが・・・。
Hさんに待ち合わせのイオンまで送ってもらい、お礼を言ってわかれた。これで全国47都道府県中、4つめのゲットだった。全国制覇に向けて一歩前進できたことは素直に嬉しかった。それにHさんはあと数年若かったら、本当に魅力があっただろうと思わせる人だった。
今回の旅で山形県に行くのはあきらめ、再び国道4号線に戻ることにした。来た道をそのまま戻り、秋田県横手市を通って、岩手県北上市へ。すっかり夜になっていたので、県境の山の中は真っ暗だった。前後に車もおらず、1人でひたすらバイクで山の闇の中を走り続けて、北上市に着いた。北上市でネットカフェフリークスに泊まる。
6日目、7日目
6日目は福島を目指して国道4号線を南下。仙台の近くでブックオフに寄ったら、そのまま何時間もマンガを読みふけってしまい、福島に着くのが遅くなってしまった。
福島で、最初にナンパした17歳の女子高生Mちゃんにもう一度メールを送ってみた。しかし返事はやっぱりなかった。この日はナンパはしなかった。出会い系サイトではあるが、秋田で女性をゲットすることができたので、もう気が抜けている感じだった。福島の自遊空間に泊まる。
最終日の7日目は、ほとんど何もなく、関東を目指して南下し続けた。一つだけ変わった物を見た。空に浮かんで静止している、鳥の形をした凧のようなものを見つける。本当に凧かと思ったら、近くで見て本物の鳥だったことがわかった。推進力と向かい風がつり合ってしまったようだ。空中の1点に張り付いたような鳥の姿が不思議だった。
この日は気温が25度近くあり、やたら暑かった。これまでとの気温の違いがきつかった。
他には何もなく帰宅。一週間の旅を終えた。
旅を終えた感想
旅を終えた感想として、今回乗ったレトロバイクは旅には不向きだと感じた。燃費がリッター38キロまで伸びたのは評価できるが、疲労が凄く、荷物が落下するのではないかと言う気持ちもあって落ち着かなかった。2輪で旅をするなら、今まで通りにビッグスクーターが良いと感じた。
だが、ナンパとバイクの旅は、そもそも相性自体が悪いとも思った。髪型がつぶれたとか、寒くて厚着していて格好悪いとか、汗や砂ぼこりで顔が汚れたとかで、バイクの旅はナンパをしない言い訳を作りやすかった。本格的に全国に挑むときは、乗り物は4輪がメインになるかもしれないと感じた。
出会い系サイトでは、スイートビーチが使えなくなってしまったのは残念だが、ハッピーメールとワクワクメールは十分な手ごたえを感じた。
今回は様子見のつもりの旅だったが、予想外に秋田県で女性をゲットできたし、ナンパにはちょっと及び腰だったが、結構アドレスを教えてくれる女性にも会えたりして、挑めば結果が出ることはわかった。
いろいろな意味で十分な収穫のある旅だった。